12月 9日

2012-12-08 23:42:52 | Weblog
             ( 菰巻き・藪巻き )



東京の名園、六義園で見かけた菰巻き、菰巻きはマツカレハなどの害虫から守るために、
松の幹に藁でできた菰を巻きつける。啓蟄にこの菰を越冬した虫とともにはずす
のが恒例になっているようです 写真の菰巻きには結び目に縄で飾りがしてありました
また藪巻きとも呼ばれ躑躅や桜の若木をぐるぐる巻きにされている物もあります
菰巻き・藪巻きは冬の、菰はずしは春の季語になっています



聞えさうなる菰巻きの息づかひ        国保泰子


藪巻の松千本や法隆寺            細川加賀


菰巻を枝にもらへる松の古り         綾部仁喜


藪巻や晴を見にゆく日本海          森 澄雄


菰巻をしてことごとく傾ぎけり        藤本美和子


藪巻を覗きたる鼻濡れにけり         大石悦子









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12月 8日

2012-12-08 00:25:34 | Weblog
             ( 開戦記念の日 ) ( レノン忌 )


1941(昭和16)年12月8日、日本軍がハワイ・オアフ島・真珠湾のアメリカ軍基地を
奇襲攻撃した日「ニイタカヤマノボレ1208」は奇襲攻撃の暗号電報として残された
また 1980年のこの日、ビートルズのジョン・レノンが自宅前で熱狂的なファンに撃たれ
亡くなった



開戦の日や喪の菓子を提げて来し        栗田やすし


十二月八日の空の濁りなし             片山由美子


開戦の目に沁むばかり冬菜の霜          田川飛旅子


十二月八日の青い魚買う               鷲見緑郎









レノンの忌なりGパンの生乾き             内田美紗


レノンの忌冬ぞらわれて陽がさして          田村敬子


ハミングに殖ゆる綿虫レノンの忌           角谷昌子




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html




レノンの忌沖へ出てゆく時雨雲           牧野一古


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12月 7日

2012-12-06 23:37:23 | Weblog
             ( 雪吊 )



雪吊りの声してゐたり母の家         沢木欣一


雪吊の心棒として先づ立ちぬ         岸風三樓


雪吊のはじめの縄を飛ばしけり        大石悦子


雪吊の百万石の城曇る             阿波野青畝


雪吊の百本の絃楽なさず            田中朗々






伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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雪吊の棒の届きし気賀の宿            国枝隆生


雪吊の影濃し白鳥供養の碑           都合ナルミ


湯煙りに雪吊りの縄ゆるびたる         栗田せつ子


雪吊の鉾を支へし加賀の空           武田稜子






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12月 6日

2012-12-06 01:18:16 | Weblog
              ( 散紅葉・紅葉散る・散り敷く紅葉 )



紅葉敷く石臼庭に苔むして          栗田やすし


地を蔽う紅葉瞳を上げ空青し         沢木欣一


山寺は踏み場所もなく紅葉散る        細見綾子








散紅葉鳥獣絵巻かくれなし           水原秋櫻子


散紅葉ふかきところにふみ入りぬ        富安風生


七滝の一つが見えて散紅葉           新井秋鴨


菊坂は母の青春散紅葉              村松 堅



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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城址に兵の寄せ墓もみぢ散る          宇野美智子


散紅葉オープンカフェに眺めをり        福井喜久江


国宝の茶室明るし敷紅葉             伊藤克江




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 伊吹嶺 12月号 遠峰集

萩散らす風に廻れり絵提灯

風抜けて萩のトンネル膨らみぬ

磔のやうな案山子に日矢ささる

稲架掛くる稲架の背丈の老農婦

海近き案山子の野良着潮じめり             宇佐美こころ
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12月 5日

2012-12-05 00:54:22 | Weblog
             ( 湯豆腐 )



湯豆腐やいのちのはてのうすあかり        久保田万太郎


湯豆腐の踊りはじめを先づ掬ふ          佐々木由紀子


湯豆腐や障子の外の隅田川             吉田冬葉


湯豆腐に咲いて萎れぬ花かつを           石塚友二


湯豆腐に酒は丹波と決めてゐし           稲畑廣太郎




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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湯豆腐や壁に志功の天女の絵          伊藤旅遊


日溜りに湯豆腐の旗南禅寺            花田紀美子


湯どうふの半丁で足る一人の夜          松島のり子


湯豆腐の微かな揺らぎ父待てり          武田明子



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12月 4日

2012-12-04 00:17:49 | Weblog
              ( 毛糸・毛糸玉・毛糸編む )



毛糸編む冬夜の汽笛吾れに鳴り            細見綾子


毛糸編む女地下鉄乗り過ごす             栗田やすし



ルノアルの女に毛糸編ませたし            阿波野青畝


毛糸選るたのしさ姪に子が生まれ           菖蒲あや


毛糸帽ひそひそばなし良く聞こゆ            鈴木満喜子


毛糸編む短い返事ばかりして              谷口桂子




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母の年越えて十年毛糸編む             関根近子


振り向かせたくて転がす毛糸玉           中本紀美代


諍ひし妻黙々と毛糸編む               渡辺慢房



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12月 3日

2012-12-02 23:47:19 | Weblog
            ( 室の花・室咲き )


冴え冴えと顔に来るもの室の花       細見綾子


紅唇の濡るるがごとく室の花         富安風生


やはらかに反れる花びら室の花        清崎敏郎


味方にはならぬ人なり室の花         神野紗希


室の花胎児に聞かすシューベルト       安養寺美人







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室の花咲き献体の骨帰る          大島知津


ほほゑみし遺影を包む室の花        福田邦子


薄目開け受くる点滴室の花         奥山ひろ子








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12月 2日

2012-12-02 01:40:28 | Weblog
            ( 侘助 ) 



侘助に風立つゆふべもの食べに       鍵和田釉子


竹林を逃げし日ざしの侘助に         上村占魚


侘助のひとつの花の日数かな         阿波野青畝


侘助や茶席につづく鳰の水           池田蝶子


すぐくらくなる侘助の日暮かな         草間時彦







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侘助や表札いまも夫の名          梅田 葵


侘助や寺に絵工の墓一基          澤田正子


侘助や葵の紋の釘隠し           菊池佳子


侘助や雪見障子の音軋む          大嶋福代



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12月 1日

2012-12-01 00:15:54 | Weblog
            ( 十二月・師走・極月 )


いよいよ今日から12月、師走になりました
即物具象にも迷い無くなり、今年は佳い句が詠めよたな気がします
俳句は句帖のほかにエクセルで記録しているので、アカウントで何句詠んだかも分かる
796句を11ヶ月で割ると約72句、月72句一日2.5句詠んでる事になり
出来は兎も角よく詠んだ  後は自選さえ間違わなければ・・・・


植木屋の妻の訃知りぬ十二月        沢木欣一


武蔵野は青空がよし十二月          細見綾子


欣一失し夕日まみれの師走富士       栗田やすし







うすうすと紺のぼりたる師走空          飯田龍太


風の日の雲美しや十二月             有働亨


大空のあくなく晴れし師走かな          久保田万太郎


塩つかむ妻の手太き十二月            皆川盤水


ウインドの銀器に映る街師走           西村和子


浚渫船杭つかみ出す十二月            秋元不死男








伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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田にそそぐ水の一縷や十二月        下里美恵子


先生ともんじや焼食ぶ十二月         国枝洋子


極月の湯屋に引き込む山の水        井沢陽子


藍甕の泡のきらめく十二月           福田邦子


靖國の大樹見てゐる十二月          伊藤範子


駅頭に募金の僧侶十二月           小柳津民子



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