本来、定時退社日のはずが、10時近くまで残業。
くたくたになったので、帰りの電車内で一眠りできるかなと駅のホームで列車を待っていたら、電光掲示板にイヤな表示が・・・「人身事故で運転見合わせ」。
よりによってこれから帰る途中のルートだよ・・・そう思ってたら予定の5分後に列車が入ってきた。しかし案の定、列車はそこで足止めされた。
夜遅い上り列車なので、乗客はあまり多くない。ドアよりの座席に腰掛け、とりあえず運転再開するまで待つことにした。向かいの座席には女性2名が乗っていて、ケータイでこの先の経路検索していた。「○○には1時に着くかしら」「終電はまだ間に合うかしら」「ここからタクシーじゃどのくらいかかるかしら」などと話しているところへ、別の女性が彼女たちに声をかけてきた。どうもその女性は、これからタクシー使っても時間かかるから、待った方がいいとアドバイスしたようだ。
ほどなくしてその女性は別の車両へ去っていった。停車してからすでに30分。終電が行ってしまう時刻になっていた。
車内放送は、相変わらず「・・・復旧の見通しが立ちません」の一点張り。分かってはいるけれどさ、なんて思ってたが、例の2人の女性は、「それならなぜ電車は○○(自分が乗ってきた駅)まできたのかしら、もっと早く知ってたら手前の駅で乗り換えてたのに、この何にもない駅で止められてさ」・・・その「何もない」駅を毎日、ぼくは利用してるんですが。
そしてとうとう日付が変わってしまった。当初の復旧時間は、さらに延長されていた。ホームを、先ほど得意げにアドバイスをした女性が足早にホームのエスカレータを駆け上がっていった。「さっきアドバイスしてくれた方よ、どうしたのかしら」「きっとお迎えが来たのよ」。
今一度時計とにらめっこしてみたが、この先復旧したとしても、どのみち途中でタクシーを利用しなきゃならない事態になったので、列車はついにあきらめることにした。改札へ戻ったら、なにやらただごとでない人だかりが。その中心には、なんと先ほどの女性が駅員に食ってかかっているではないか!
「なぜ列車が遅れるのよ!どうしてくれるのよ!!私たちに分かるように説明しなさいよ!!!」どうも自分が乗客の代表と思っているらしく、金切り声を上げて駅員に文句を言い続けていた。しかし、もはやあきらめモードな乗客も多く、ほとんどはその光景をひややかに見ていた。あの女性陣がこの光景を見たら、なんと思うだろうか。
たまりかねた駅員が、メガホンをもってきた。「○○線は踏切での人身事故の影響で・・・救助はしましたが、荷物が散乱してまして・・・安全確認のために、今しばらくお待ちを・・・」もう半分逆ギレ状態でそう叫んだ。それでも怒りが収まらないらしい女史、「タクシー代出してくれるんでしょうね!」「タクシー代はでません!!」・・・なんだか子供のケンカみたいな様相な中、ぼくは改札をでて、駅前のタクシー乗り場へ。
意外なことに、タクシーはすんなりと乗ることができた。最寄りの駅を指示して、タクシーは走り出した。ちょっと興奮して、これまでの顛末が、タクシー内での話題となったのはいうまでもない。
タクシーの運転手、運転中に「あっ!」と声を上げた。何事かと思って聞くと、「カーナビが圏外」になったそうな。カーナビに圏外なんて・・・と画面を見たら本当に「圏外」と表示されていた。「こんな事はじめてですよ」。ぼくもはじめてだ。
バイパスをかなり高速ですっ飛ばし、自宅近くのコンビニまでわずか20分近くで着いた。よく見たら、最終電車で駅に着くのとほぼ同じ時間だった。「終電に乗って帰れたと思えば」と運転手氏。しかしかかった金額はケタ違いですけどね。
・・・ま、あまり他人をどうのこうのいうつもりはないですが、「人の振りみて我が振り直せ」という言葉もありますしね。人の行動は思わぬところで、思わぬ形で見られていたりするものでしょうか。
そんなことを考えつつ、もう遅いので寝ますzzz。