昨夜遅くにニュースが報じた、大物芸能人司会者の引退会見。N○Kは0時回ったニュースでもこの模様を放映していて、時間延長までしていたが、それだけ社会的影響があまりに大きかったいわば事件だったように思う。
彼の身に何があって、なぜ引退しなければならないのかを考えるつもりはさらさらないが、きょう放映する予定だったおバカバラエティ番組も違うものに差し替えられたし、今後その流れは他局にも、そして彼が構想していた漫才番組もおそらく白紙撤回・・・。
これだけ大騒ぎになったのは、それだけ彼の司会者としての人気や手腕に、あまりにも乗っかりすぎていたせいかもしれない。また彼に頼らないと、人気が上がったり、視聴率を稼げないという今のテレビ事情も本来考えるべきかと思うのだが、その話も今回脇に置く。
せっかくなので、最近テレビ番組に思うことをひとつ。
先日、24時間生放送の番組をやっていて、そこに70歳の元アナウンサーがその長い長い放送時間をかけて武道館までマラソンする、という企画があった。無謀だとか、スタートから号泣だとか、指摘したいことを細かく挙げればきりがないが、途中からとても見ていられなかった。年寄りだから、みっともないから、というのではなく、番組のために、わが身にムチ打ち、無理やり視聴者に感動を与えようという意図が透けて見えたことや、彼が長年、TV局の顔として知られたばっかりに、そのTV局のためにまだ奉仕し続けているのかと思うと、可哀そうになってきたからだ。スタートの号砲を鳴らしたミスターも、立場は違えど境遇は同じだろうと思う。
過剰な演出や、押しつけがましい演出が多くなってきてから、バラエティ番組をあまり見たいと思わなくなった。また最近多いのが、たとえば若手芸人をドッキリにはめて驚く様子をみんなで笑おう、というのだが、こんなのはバラエティでもなんでもない、単なるいじめだ。しかもこういうのって、大抵台本があるからその通りに演じているだけだと思うと、余計に腹が立つ。番組全体で、いじめの仕方を教育しているように見えてしまう。
この気持ちは、おそらくぼくがまだティーンエイジだったら、まちがいなく反発するだろう。それだけテレビっ子だったし、ブラウン管を通してえられた情報を疑いなく信じられた。時には人生の糧にもなった。
しかし時が経ち、社会に入っていろいろ揉まれ、ある時、辛い目にあって落ち込んで帰ってきたときに、女性タレントが相手を罵り、プライドだけを賭けて争っている姿が延々映し出されたのをみて、なぜか笑うどころか、怒り、悲しみ、悔しさがこみあげてきた。
最近は朝の番組にも必ずと言っていいほど、エンターテイメント(エンタメ)情報やファッションに関する情報を流す。ニュースよりもそっちのほうが時間を長く取る日もある。ニュースと交通情報と天気だけ見たいと思うぼくには、余計なものを、って思うわけで。
だからといって、こんなぼくがテレビ嫌いになったかといえば、それは違う。
最近は、静かな番組や安心して見られる番組を好むようになったからだ。朝のNHKニュースは派手さはなくても落ち着いて見られるし、深夜の音楽番組や2355とか、まぁほかにもあるけども。
だから、世間の流行や芸能の話題についていけなくったって、もういいんです。