最近はまともにニュース見ていないので詳細はよく分かっていないのですが、相撲界が大荒れらしい。駅のキオスクやコンビニに並ぶ、どのスポーツ紙にもデカデカと横綱の名が・・・。
横綱、朝青龍関が場所中に泥酔して一般人に暴行し、さらに報告にも虚偽があるらしい・・・という。過去の度重なる不祥事のたびに、横綱だからと寛大な処分でやり過ごした相撲協会へ、いよいよ彼に対するツケの精算をせねばならない、といったところだろうか。
プロのスポーツ選手は、当然だが一般の人よりも身体能力が高い。だからこそ、その能力は、ルールのある「競技」の上で発揮されるわけで、それが人々を魅了したり、時に感動させたりもする。横綱・朝青龍関も、もちろんその能力を持っているにはちがいない。鋭いまなざしで相手を威嚇し、追いつめられても体勢をうまく入れ換えて鮮やかな勝ち星を決める。その類い希な力を、あろうことか、力を持たない普通の人に向けてしまっては絶対にいけない。泥酔(繰り返すがしかも場所中)していたとはいえ、まさかそんなことも分からなかったのか、と思うと、呆れきってそれ以上言葉も続かない。
余談だが、数年前実写化された「スパイダーマン」に、こんなエピソードがある。驚異的な力を手に入れた主人公がその力を弄び、レスリングの賞金稼ぎをしていたとき、主催者側にギャラを値切られ、その腹いせで、レスリング場を襲った強盗を逃してしまう。しかし結果的にそれが身内の死という、彼にとって最悪の結果を招いてしまった。「力は見せびらかすものではなく、誰かの役に立たなければならない」ということを初めて知った瞬間だった。
朝青龍も「オレは強いんだ」ではなく、強いからこそ、その力の使いどころを間違ってはならない。しかし、もしかすると、もう引き返せないところまで来てしまったのだろうか?いまや引退勧告も声高に言われ、まさに土俵際。今度は徳俵で逃げられそうもない。いったいどうなる?