転勤して一ヶ月、正直に言うと、ひじょうに息苦しかった一ヶ月でした。
職場環境も、通勤体系も、生活も変わったが、仕事は今までとまったく変わらない。メンバーも一緒だ。ただ今まで別のところにいたので顔を合わせる機会が少なかっただけだ。それだけの筈なのに、仕事がどんどん増え、難しくなってくる。自分がこなせるだけのキャパシティをそろそろ超え始め、やってもやっても追いつかなくなった。
一つの仕事に追われていると、横から「××の件はどうなった、今やらないと今後まずいんじゃないの」と言われ、やりかけの仕事を抛って別の仕事に取りかかり、それで1日がつぶれてしまう。そんなことを繰り返すうちに、仕事の優先順位がだんだん分からなくなってくる。どの仕事も気が付けば仕掛かり状態のまま「今すぐやれ!」のレベルにあると感じるようになった。
そう思うと、今までやってきた仕事が、急にハードルが上がったように難しく感じるようになった。今まで何の苦労もしなかったルーチンワークに時間がかかったり、単純なミスを繰り返したり、報告が遅れたり。「もう入社して××年なんだろ、もう少ししっかりしてくれ」と周囲から毎日のように言われると、自分で自分が嫌になる。「お前は俺より(仕事の内容を)分かってるんだろ、お前の方が詳しいんだろ、俺にこんなこと言わせるんじゃないよ」・・・同期からのこの一言が今ものすごく堪えている。
ちょっと疲れて周りを見回すと、みな黙々と、てきぱきと仕事をこなす。彼らと自分の違いは一体何なのだろう?一体自分は何のために転勤して戻ってきたのか?
たしかに、静岡にいたときの自分は「のんびり」仕事していたようにも思う。課長らの「目」があまり行き届かないこともあり、比較的自分のペースで自分なりに仕事を進めることができた。それが戻ってきてからは、人に仕事を見られている、と感じることが多くなった。みな自分の仕事を黙々こなしているように見えるけど、その一方で、自分の仕事ぶりを見ている、電話での会話や、メモやパソコンの内容を細かくチェックされている・・・。実際にはそこまでないだろうけど、そんな気がしてきた。そう思うと、言葉は悪いが、恐怖感が沸いてくる。落ち着いて仕事ができなくなる。「例の件、どうなった?」という何気ない一言でも相当なプレッシャーになる。しどろもどろになったり、返答に窮すると、「一体何やってんだ!」と一喝されることもある。それが続くと、だんだん朝起きるのが辛くなる。電車が途中で止まってくれればいいのにと思うこともある。それでも駅を降りて会社までの道のりの中で「今日も頑張ろう」とある意味覚悟を決める。そして自席に着く・・・。
メンバーが一体となって仕事を進めていける職場は非常に魅力がある。だけど正直、今いる机は本当に自分がいるべき席なのか、よくわからなくなった。ここに座って、何のために仕事しているのか、目的が何なのかさえ・・・。
偽らざる気持ちをここで言ってしまおう。
「今は自分の思うとおりに仕事をさせてくれ!余計な干渉はしないでほしい!」
その一方で、「自分が成長するためには、もっと自分を追い込まなきゃダメだ」そう言ってくれた先輩社員がいた。そうかもしれない、いやそれは分かっている。少なくても頭の中では。けど今の乱れた状態のままでは先に倒れてしまうんじゃないか、とぼくは思っている。
幸か不幸か、今日から長い休みになった。巷では旅行に出かけたり、帰省したりで忙しいようだが、ぼくは今年はどこにも遠出せず、なるべくずっと籠もることにした。自分のペースで生活し、とりあえず乱れた気分を回復することを優先しよう。
そんなぼくは、単なる「怠け者」でしょうか、それとも・・・?