昨日のライブの後、夕食を取りに先輩K氏と焼肉店に行ってきた。
そのとき、「KouChanの音楽のルーツって何?」という話から、ふたりで1時間半、肉を焼きながら、ほおばりながら議論になった。
ぼくの音楽のルーツについては、詳細はここでは割愛するが、K先輩はぼくより5つ年上なので、聴いている音楽もテクノ・フュージョンよりも外国のロック、ジャズ。アーティストではチャー(ギタリスト)や、アルフィーだという。
ぼくはこんな話をしてみた。
音楽が好きな人ってのは、2種類いると思っている。詞(歌詞)が好きな人と、音が好きな人の2種類、先輩はどっちですか、と。すると、ぼくもK先輩も後者だった。CMで最近、「音楽で涙を流したことがありますか?」というキャッチコピーがあるが、ぼくはこの立場である限り、あり得ないかな、と思っている。
これは個人的な意見だが、音楽というのは、そこで鳴っている音、楽器の音色とかハーモニーというもの、それは絵や写真で情景とか背景にたとえられる。どんな音が鳴っているか、そこから絵や風景が想像できるか、時には気分を高揚させてくれるか・・・。ぼくの音楽の評価のしかたは、基本的にはこの1点である。「楽しい音」かそうでないか。だからインストの曲の方がほっとする。これに対し、前者の場合は、詞の持つメッセージや、ことばのひとつひとつに共感、同調、感動したり、時には慰められたりする。音や演奏が背景ならば、詞や歌手というのは、その絵のなかで縦横無尽に活躍する物語の主人公になるだろう。演歌や歌舞伎、フォークソングとかを日本人が多く好むことから、じつはこちらの方が圧倒的に多いのではなかろうか。
K先輩との話に戻る。至る所にいろんな音楽があり、TVやラジオで毎日たくさんの音楽が作られ、世に出され続けているが、10年、あるいは20年後、歌い続けられ、本当に残っていく音楽ってあるのかな?という話になった。今世に流れている音楽、とくに日本のポップスに限った話になるのだが、次々生み出される曲のペースの早さについていくのに苦労する、とK先輩。しかもTVで1クール(約3ヶ月)しか使われなければその曲はどんなによくてもそこで終わってしまう。音楽がもはやビジネスになっているせいなのか、心に残る曲、大ヒットのCDが少ない、とやや悲観的な発言をされた。
これに対し、ぼくはこんなことを言った。今ヒットしている曲のほとんどは、その1クールで消費され尽くしてしまうから、作る側(音楽家・アーティスト)も、それに対応するよう次々と作って発表していると思う。アーティストが次々ヒット曲を出せるのは、元々曲のストックを100~200曲くらい持っていて、それを少しずつ小出しにしているからではないだろうか?ヒット曲についても、昔はCDの売り上げで100万枚、200万枚売り上げるのは当たり前のことだったが、最近はそこまでCDが売れることはない。もっぱらケータイ電話などのダウンロードサービスで曲を得るひとが増えているから、と思う。ようは音楽という「ソフト」を乗せる媒体(ハード)が、昔のレコードからCD、そしてインターネットへと変わってきているので、一概にCD売上げだけで評価するのは難しいのではないだろうか・・・etc。
お酒が少し入っていたせいか、多少オーバー、飛躍しすぎた内容になってしまった。こんなことをえんえん1時間半、議論していたわけだが、基本的には、ぼくもK先輩も、好きな音楽はほとんど一緒だ、というところでデザートのアイスクリームに舌鼓を打ってお開き。
みなさんはどう考えますか?