踊る小児科医のblog

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タバコは最大の流行病(疫病)

2007年08月21日 | 禁煙・防煙
●タバコは最大の流行病(疫病)
・世界で500万人が死亡
  →1000万人に(2020年)
・国内でも11万人が死亡
・全世界で第2位の死亡原因(1位は低栄養)
・現在13億人の喫煙者の半数はタバコで死亡
・毎年数十万人が受動喫煙によって死亡
(WHO、厚生労働省など)

#流行病(疫病)=Epidemic
 エイズ、SARS、インフルエンザなどと同じく感染して拡がる病気であり、感染ルートは人、広告、メディア、特にメディアがタバコの蔓延に果たした役割は大きい。当然のことながら、それらは全てタバコ会社の広告宣伝費用でまかなわれています。

 そして、日本は世界でも残り少ない「政府がタバコを販売している国」です。JTは民営化されたとは言え、株の50%は財務大臣が保有し、法律(たばこ事業法)でタバコ産業を奨励しているため、実質的には国営企業と言えます。そのJTは、国内での販売減少を補うために、途上国や中国、ロシアなどのマーケットに販売を拡大し、国民の命を奪い、貧困を拡大させようとしています。その企業を保有しているのが日本という国です。

禁煙世界地図…屋内完全禁煙の国

2007年08月21日 | 禁煙・防煙
●禁煙世界地図 …屋内完全禁煙の国(飲食店、ホテルロビー、タクシーを含む)
ノルウェー(2004)
スウェーデン(2005)
フィンランド(2007)
リトアニア(2007)
アイルランド(2004)
イギリス(2006-07)
ウクライナ(2005)
ドイツ(計画中)
スイス(2006)
ベルギー(2007)
フランス(2007)
イタリア(2005)
マルタ(2004)
スペイン(2006)
ポルトガル(2007)
香港(2007)
ブータン(2004)タバコ販売禁止
ネパール(計画中)
タイ(2002)
マレーシア(2004)
ベトナム(2005)
シンガポール(2006)
オーストラリア
ニュージーランド
ウルグアイ
ハワイ(2006)
米国各州

タバコとは? ニコチンとは?

2007年08月21日 | 禁煙・防煙
●タバコとは
「人間を殺す前に一生涯喫煙者にすべく、ニコチンを適切に投与するように如才なく巧妙に作られた製品」(ブルントラントWHO事務局長, 2001)
「用途通りに使うことが死をもたらす唯一合法的な製品」(クリントン政権の公衆衛生局長官)
「我々はタバコ産業ではなく、ニコチン産業なのです」(BATチャールズ・エリス氏, 社内資料, 1971)

●ニコチンとは?
・猛毒:青酸カリの2~3倍
  成人の致死量
   青酸カリ 150mg
   ニコチン  60mg(タバコ3本分)
  タバコ1本で赤ちゃんの致死量
・依存性のある薬物(=麻薬)
  ヘロインやコカインよりもやめにくい
「ニコチンは依存性のある毒物」

受動喫煙は環境汚染基準の1万倍以上のリスク

2007年08月21日 | 禁煙・防煙
●想像以上に大きい受動喫煙の害
・家庭で受動喫煙がある人の年間死亡率
  ニュージーランド 14%高い
  香港 30%高い
  日本はその中間? (10%と仮定すると)
 10万人あたり1万人以上が死亡
          ↑
 1万倍以上のリスク↑・アスベスト:680人
          ↑・ディーゼル:435人
 環境汚染の基準:10万人あたり1人以下

#受動喫煙によって超過死亡が14~30%も増加することが各国の調査でわかってきました。日本のデータはありませんが、仮に低く見積もって10%としても、10万人あたり1万人以上が死亡することになり、環境汚染の基準である「10万人あたり1人以下」の1万倍以上のリスクになります。
 日常生活で曝露される発がん物質は、その殆どが受動喫煙によるものと言えます。

屋内完全禁煙の法制化を各国に義務づけ

2007年08月21日 | 禁煙・防煙
#18日に禁煙の講演会を開催したのですが、その中からいくつかのスライドを紹介したいと思います。

●世界禁煙デー2007
「タバコの煙のない環境 - 屋内完全禁煙を」
 Smoke-free Environments
  Smoke-free inside
   create and enjoy
    100% SMOKE FREE ENVIRONMENTS
http://www.who.int/tobacco/communications/events/wntd/2007/en/

●受動喫煙防止のための勧告 2007年 WHO
1. 屋内は分煙ではなく、完全禁煙でなければならない
2. 法律によりすべての人に完全禁煙を保証すること
3. 法律を適切に履行し、十分な対策を講じて徹底させること
4. 家庭での受動喫煙をなくすよう教育を行うこと

#6-7月にタイで開催された条約締結国会議において、この勧告を実施するための方策が検討され、ただ一国、日本政府代表(財務省と外務省)だけが<タバコ会社の利益を損なわないように>文面の修正を要求しましたが、各国の反対にあって取り下げられ、全会一致で採択されました。
 その結果、法制化のタイムリミットは2010年2月と決まりましたが、政府はこの件について帰国後も口を閉ざし、現行法のままでしらばっくれるつもりのようです。

ガイドラインの詳細は日本禁煙学会に全訳が掲載されています。
http://www.nosmoke55.jp/data/0707cop2.html
(上記禁煙デー標語や勧告の全訳も同学会HPに掲載)

●WHO世界禁煙デー標語
・タバコは人を殺す-だまされないで(2000)
 Tobacco Kills - Don't be duped
・受動喫煙も人の命を奪う-きれいな空気を(2001)
 Second-hand smoke kills : Let's clear the air
・タバコか健康か-健康を選ぼう(1988)
 Tobacco or health : choose health
・子どもに無煙環境を(1990)
 Growing up without tobacco