踊る小児科医のblog

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代理によるミュンヒハウゼン症候群

2008年12月25日 | こども・小児科
ミュンヒハウゼンとは「ほら吹き男爵」のこと。
最近では「による(by)」をとって単に代理ミュンヒハウゼン症候群と呼ぶようです。
比較的知られた特異な病態というか事例なのですが、気が付かないと気が付かない。
(昔からこの病態には興味があったのですが、幸い自分で遭遇したことはありません)

多くは母親ですが、治療に協力的だったり子どものことを心配していろいろ尋ねてくるなど、「まさか」あの親がそんなことをするとは、医師も看護師も疑わない。(今回は最初から疑って対処したようですが)
点滴に汚物を混ぜるというのは教科書に書かれているような典型例に思えますが、調査の結果を待ちましょう。

医学的知識があったり、看護師だったりすることが多い。
奈良の事件もそうでした。
このケースでも、注射器を自分で調達して点滴に混入するなど、(看護師とは報道されていませんが)比較的医療の場に慣れた人物が想像されます。

子どもにとってみれば児童虐待。母親の病態としては一種の精神疾患。
しかも、上の子が何人も亡くなっている。
自治体の健診を受けていない。
七戸や青森のケースでもそうでしたが、地域の母子保健の見守り体制で当然ハイリスクとしてチェックできるはずのヒストリー。。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081224/crm0812241420015-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081225/crm0812251329017-n1.htm