踊る小児科医のblog

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3/15はキセノン、3/21はセシウムとヨウ素 首都圏を襲った放射能雲 なぜ無防備だったのか メディアの自殺

2011年06月14日 | 東日本大震災・原発事故
この3月15日に福島への最大規模の汚染が生じたことはご存知の通りですが、政府・東電・マスコミの情報隠しにより福島だけでなく東北から関東の広い範囲で多数の人たちが被曝を余儀なくされました。
この経緯と事実の解明にこだわるのは、それが歴史に残る政府の犯罪であるだけでなく、個人的にも息子(3/15に避難)や姉夫婦(千葉県在住)を案じて背筋が凍るような思いをしたことがトラウマになっているからかもしれません。

もう一つは、今回テレビと新聞しか見ていなかった人と、ネットで情報を得ていた人で、知識や危機感のレベルに天と地ほどの差が生じたこと。
特に初期の段階では。。
原発大事故という現実を前に、あまりにも無防備でありすぎた。
チェルノブイリ後の世代に、私たちは伝えるべきことを伝えることができなかった。
もちろん多くの方たちが警告を発して活動を続けてこられたことを十分承知していますが、政府・メディアの安全神話・安全教育・広報戦略が着実な成果を上げていた。
その結果がこの現実に。。

最近になってメディアも政府・東電の批判や内部被曝の危険性なども少しは伝えるようにはなりましたが、それでも原発推進側の「原発がなければ電力不足が深刻に」「毎月千円値上げ」などのキャンペーンを大々的に取り上げ、イタリアの脱原発圧勝や全国の脱原発デモをできるだけ小さくしか扱わないという露骨なことを、この期に及んでまだ恥ずかし気もなく堂々とやっている。。
既存メディアの信用は完全に地に落ちたという点でも歴史に残ることになるでしょう。

なお、「放射能雲」という用語は、調べてみると「放射性雲(放射性プルーム)」というのが学術的には使われているようですが、放射性物質(放射能)が直接運ばれてくるという意味では「放射能雲」の方がわかりやすいし、以前からそう理解していましたので、ここでは「放射能雲」と表現しておきました。

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日本分析センター
「3月15日の空間放射線量率の上昇は、キセノン133(Xe-133)によるものであることがわかります。3月21日の降雨後は、地上に付着したセシウム 134及びヨウ素 131の寄与が大きいことがわかります。」
詳細は下記のリンク先をご覧下さい。

[原発ダイアリー]3月21日に何が起こったか? 柏市の汚染をめぐる推論
バイナフ自由通信+原発ダイアリー June 06(Mon), 2011
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20110606/1307287061

3/21 柏市を汚染した放射能プルームについて
http://kenken4433.blog51.fc2.com/

3/21 柏市を汚染した放射能プルームについて(ササユリの咲く頃に。2011年05月29日)
http://ameblo.jp/kenken4433/entry-10906917871.html
その後の考察(ササユリの咲く頃に。2011年06月06日)
http://ameblo.jp/kenken4433/entry-10915378791.html

福島原発21[キセノン133とセシウム134](ざちゅがく)
http://physico.tea-nifty.com/chu/2011/04/21133134-77ea.html

財団法人日本分析センター 福島第一原子力発電所 事故関連
http://www.jcac.or.jp/fukushima.html
空間放射線量率と希ガス濃度調査結果 平成23年6月10日
http://www.jcac.or.jp/lib/senryo_lib/nodo.pdf

茨城県東部 放射線モニターデータ解析
http://ag.riken.jp/u/mon/anim.html

必読『原発と放射線』中山幹夫 無料公開中 子供を守る戦い 日本はひとつではない

2011年06月14日 | 東日本大震災・原発事故
『原発と放射線』中山幹夫(神田外語大学教授)
http://www.kuis.ac.jp/~nakayama/essay/atm.html
PDFやePubでも公開されています。

目次より(一部抜粋)
真実を知り、自分の身は自分で守るしかない
・・・
情報戦争
知識で原発を守る
・・・
ミリシーベルトは被害者数そのもの
・・・
命を軽視した政府決定と怠惰な自治体
・・・
そんなに「安全」なら子供にでなく大人に
国民を守らない政府
住民を守らない自治体
子供を危険にさらす学者
原発利権と政府広報としてのマスコミ
・・・
みんなが動き出している
・・・

冒頭の「情報戦争」より引用

> 今は『日本はひとつ』ではありません。
> 日本で起きていることは情報戦争なのです。
> しかも国民の生命、子供たちの未来がかかっています。

> ただちに影響がないという政治家、ガンの死亡率が
> 0.5%増加してもたいした影響がないという学者もいます。
> でも未成年2000万人の0.5%は10万人、
> これで影響がないのでしょうか。
> 大震災と大津波の被害者をはるかに超える人数なのです。

> 政府・東電・学者の情報を無批判に垂れ流すマスメディアに
> 対しての良識ある市民の戦いは、子供たちを守るための戦いです。
> まるで戦時中のような状況です。
> 過去と決定的に違うことは、市民にはネットメディア
> という武器があることです。
> しかし情報だけでは守れません。
> その情報を自分で判断し子供たちを守る行動が必要です。