インフルエンザ検査の陽性的中率・陰性的中率を式とグラフを示しながら説明しました。
同じ理屈で、いま問題となっているお母さんの採血だけで診断できる「新しい出生前診断」について考えてみることができます。
感度 sensitivity s
特異度 specificity p
有病率 x
陽性的中率 = sx/(sx + (1-p)(1-x))
陰性的中率 = p(1-x)/((1-s)x + p(1-x))
これをエクセルのシートに入れてみれば簡単に出て来ます。
この結果については、すでにこちらのブログで紹介されています。
遺伝のはなし#11:トピック「新しい出生前診断」
September 11 [Tue], 2012, 20:00
http://yaplog.jp/ohgimachi2511/archive/309
問題は有病率の低さからくる陽性的中率の意外なほどの低さです。
上記ブログからその部分を引用してみます。
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今話題の出生前診断、マスコミがいう精度とは感度・特異度が約99%(実際は感度98.6%, 特異度99.8%)ということ。
たしかにこの数字だけを見れば、すごい検査のようみえるけど例えば35歳の妊婦がこの検査で陽性だとしても、事前確率(ダウン症候群の罹患率)は約1/300だから、陽性的中率は62%にすぎない(つまり検査陽性でも1/3は実際にはダウン症候群ではない)。
同様に40歳で事前確率1/100として陽性的中率は83%。これでも1/6は偽陽性ということになる。
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Wikipediaには「21トリソミーの感度が99.1%、特異度が99.9%」と記載されていますが、ここではそのまま感度98.6%,、特異度99.8%を用いておきます。
感度 sensitivity s = 0.986
特異度 specificity p = 0.998
35歳
有病率 x = 0.0033
陽性的中率 = 0.62010(62.0%)
陰性的中率 = 0.99995(100.0%)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/fd/2c1beac41e3caceb8e06d3bc9b7d48b7.png)
40歳
有病率 x = 0.01
陽性的中率 = 0.83277(83.3%)
陰性的中率 = 0.99986(100.0%)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/9d/cc596869b829e1ceed71e462609f106c.png)
計算結果は上記のブログに紹介されている通りの値で、検査結果が陰性であれば(検査が正しく行われているなら)まず間違いなく違うと言うことができます。
一方、陽性的中率は35歳で62%、40歳でも83%であり、偽陽性がそれぞれ38%、17%も出てしまう。
それよりも若い年齢に無闇に適用すれば、陽性的中率は更に低下してしまう。
このため、日本産科婦人科学会の指針案でも「35歳以上の高齢妊娠や超音波検査などで胎児に染色体異常が疑われる妊婦に限る」としているようです。
同じ理屈で、いま問題となっているお母さんの採血だけで診断できる「新しい出生前診断」について考えてみることができます。
感度 sensitivity s
特異度 specificity p
有病率 x
陽性的中率 = sx/(sx + (1-p)(1-x))
陰性的中率 = p(1-x)/((1-s)x + p(1-x))
これをエクセルのシートに入れてみれば簡単に出て来ます。
この結果については、すでにこちらのブログで紹介されています。
遺伝のはなし#11:トピック「新しい出生前診断」
September 11 [Tue], 2012, 20:00
http://yaplog.jp/ohgimachi2511/archive/309
問題は有病率の低さからくる陽性的中率の意外なほどの低さです。
上記ブログからその部分を引用してみます。
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今話題の出生前診断、マスコミがいう精度とは感度・特異度が約99%(実際は感度98.6%, 特異度99.8%)ということ。
たしかにこの数字だけを見れば、すごい検査のようみえるけど例えば35歳の妊婦がこの検査で陽性だとしても、事前確率(ダウン症候群の罹患率)は約1/300だから、陽性的中率は62%にすぎない(つまり検査陽性でも1/3は実際にはダウン症候群ではない)。
同様に40歳で事前確率1/100として陽性的中率は83%。これでも1/6は偽陽性ということになる。
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Wikipediaには「21トリソミーの感度が99.1%、特異度が99.9%」と記載されていますが、ここではそのまま感度98.6%,、特異度99.8%を用いておきます。
感度 sensitivity s = 0.986
特異度 specificity p = 0.998
35歳
有病率 x = 0.0033
陽性的中率 = 0.62010(62.0%)
陰性的中率 = 0.99995(100.0%)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/fd/2c1beac41e3caceb8e06d3bc9b7d48b7.png)
40歳
有病率 x = 0.01
陽性的中率 = 0.83277(83.3%)
陰性的中率 = 0.99986(100.0%)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/9d/cc596869b829e1ceed71e462609f106c.png)
計算結果は上記のブログに紹介されている通りの値で、検査結果が陰性であれば(検査が正しく行われているなら)まず間違いなく違うと言うことができます。
一方、陽性的中率は35歳で62%、40歳でも83%であり、偽陽性がそれぞれ38%、17%も出てしまう。
それよりも若い年齢に無闇に適用すれば、陽性的中率は更に低下してしまう。
このため、日本産科婦人科学会の指針案でも「35歳以上の高齢妊娠や超音波検査などで胎児に染色体異常が疑われる妊婦に限る」としているようです。