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【PM2.5】室内や車内の喫煙でPM2.5は緊急事態レベルに上昇 中国の大気汚染や放射線被爆との比較

2013年02月07日 | 禁煙・防煙
【PM2.5】家庭・職場・飲食店・車内の喫煙でPM2.5は緊急事態(hazardous)レベルに上昇 中国の大気汚染や放射線被爆との比較 (以下、禁煙の講演で使っている図表を用いて説明します)

出典は、1)野上浩志,松崎道幸:職場における受動喫煙防止対策に関する公聴会資料、2)松崎道幸:受動喫煙とおとなの健康;ファクトシート、3)松崎道幸氏資料 (各図表に記載)



PM2.5とは有害物質の名称ではなく、2.5μm以下の「微小粒子状物質」のこと。ウイルスよりも大きく細菌よりも小さい。花粉は目に見えるけど、PM2.5は見えない。PM2.5よりも大きいSPM(10μm以下)という環境基準もあるが、別々に存在しているわけではなく、SPMの中にPM2.5が含まれている。



PM2.5の方が気管支の奥深くまで沈着せずに吸入される。喘息の治療薬に適しているということは、有害物質が悪影響を及ぼしやすいということ。



PM2.5の環境基準は平成21年(2009年)に決まっているが、当時から全く報道されておらず、ほとんどの国民には知らされていなかった。日米の基準はWHOよりもいずれも高くなっている。

平成21年9月9日「微小粒子状物質に係る環境基準について」(環境省)「1年平均値が15μg/m3以下、1日平均値が35μg/m3以下」http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11546



「PM2.5が10μg/m3増えると全死亡率が6%増える」これは全米ガン協会コホート調査のデータ。肺がんは14%も増える。繰り返しますが「日本の基準は年平均値が15μg/m3以下、WHOは10μg/m3以下」です。



WHOのガイドラインでも「PM2.5が10μg/m3増えると24時間の急性暴露で1%、年間の慢性曝露で6%増える」ことが明記されています。何度も繰り返しますが、たった「10μg/m3」でこんなに増加する。中国ではいま100とか500とかの数字が出ている。東京でも20くらいある。



一方、「例外のない屋内全面禁煙の法制化」という国際条約FCTCガイドラインを無視して「分煙」を押し進めている厚生労働省の基準はSPM 150μg/m3であり、PM2.5に換算すると100μg/m3、10万人あたり1万人(急性)~6万人(慢性)の生涯超過死亡が発生するという濃度。



大気汚染防止法のアスベスト「敷地境界基準」は10万人あたりの生涯死亡リスクが6.7人以下であり、厚労省の職場受動喫煙の基準はその1500~9000倍も高い。(一般に汚染物質の環境基準は10万人あたり1人)



喫煙家庭のPM2.5は非喫煙家庭より30μg/m3高く、WHOガイドラインによると全死亡が18%増加する。諸外国で受動喫煙により[14%,17%,34%]全死亡が増加しており、家庭の受動喫煙により受動喫煙者の10-20%を早死にさせると結論できる。



福島原発事故で大きな問題となった放射線被爆における「閾値(しきい値)なし直線仮説(LNT)」によると100mSv被曝でがん死が0.5%、10万人あたり500人増加する。20mSvで100人、1mSvで5人。(この掛け算を禁止するICRPの主張に根拠が無いことは何度か書いた)



まとめると、環境基準が10万人あたり1人、アスベストは6人。放射線被爆は「100mSv=500人より下は安全」だと主張しているが、1mSvの「10万人あたり5人」ですら環境基準を上回っている。一方、受動喫煙は桁が全く違う「10万人あたり1万~2万人」。



アメリカ環境保護庁によると、PM2.5が40μg/m3を超えると弱者に危険、150を超えると大いに危険、250では緊急事態(hazardous)で、心筋梗塞などで死んでもおかしくない環境となる。中国が危険で日本はキレイだと思ったら大間違いで、



完全禁煙ではない飲食店では100μg/m3どころか500、600を超えることもザラで、車内で喫煙すると1000を超えてしまう。そういった環境の居酒屋や喫茶店などで、未成年や妊娠可能な年齢の女性が多数働いているのが現実。中国を非難する前に、受動喫煙をゼロにするのが先決。

当然のことながら、「飲食店を含む例外のない屋内全面禁煙を法制化」している多くの国では、一番下の全面禁煙店と同じように客も従業員も受動喫煙の健康被害から守られている。



八戸グランドホテルの中華料理店「鳳凰庁」では、入店当初9μg/m3だったものが、遠くの席からタバコの臭いがしてきたと思ったらすぐに24μg/m3に上昇。この時点で逃げ出したのでどこまで上がったかは不明。



八戸市役所の喫煙所では、風が強い日にも関わらず入り口付近で18μg/m3もあり、喫煙者が去った後に息を詰めて突入したところ427μg/m3という緊急事態(hazardous)レベルであることが判明。喫煙者はこれに加えて自分のタバコの煙も吸っているのだから目も当てられない。

喫煙者が中国のPM2.5の日本襲来を心配するのは全くのナンセンス。喫煙者の家族も、放射線被爆や中国のPM2.5を心配する前に、喫煙者を禁煙させることが最優先の問題。外で喫煙しても受動喫煙は防げない。

北京でPM2.5が100~500μg/m3だとしたら、とても人が生活できる環境ではない。ただし、屋内や車内でタバコを吸えば、北京と同じかそれ以上のレベルまで急上昇する。とても人が生活できる環境ではない。まして子育てなど…。

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2 コメント

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困っています (あい)
2013-02-20 22:34:33
学校関係者です。3年間受動喫煙と闘ってきました。長い闘いの末、少しはましになりましたが、いまだに勤務時間中の喫煙はあたりまえ。タバコ臭い息を吐きながら子どもたちを迎えています。先日管理医に相談したところ「あなたは教員は勤務時間中は喫煙するなと言うのですか?」「だったら採用試験で非喫煙者を調査するしかありませんね」「あれは薬物ですから禁断症状出るんですよ。」と医者とも思えない発言。ドクター本人に聞いたところ喫煙者でした。結局、喫煙環境は全く改善されず。それどころか喫煙者は医者のお墨付きを得て勢いが増しています。
日本は本当に遅れていますね。
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煙草の害がよくわかりました (ちこ)
2013-03-08 07:05:04
重要な資料をUPしていただき、ありがとうございます。
中国由来のPM2.5について怖がるまえに禁煙ってことですね。
メディア報道では、非常に危険なものが中国から由来する、という印象を受けていましたが、われわれはすでにもっと恐ろしいもの(すなわち副流煙)に日々、さらされているのですね。


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