踊る小児科医のblog

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スポーツ中毒(依存症)にご注意を

2005年03月24日 | SPORTS
中高年の登山・ウォーキング・マラソンなどがブームという言葉を通り越して、すでに定着してきているようですが、「スポーツのけが 中高年ご用心」という記事に書かれているように、痛みは体のサインであり、痛みや障害の出ない範囲で、頑張らずに無理なく長く継続していくことが何よりも大切です。記事中に引用されている「スポーツ中毒」診断基準の問診を私も行ってみましたが、9項目27点満点中13点で「スポーツ依存性が高い」と診断されてしまいました(~10点:スポーツ中毒ではない、11~18点:スポーツ依存性が高い、19~22点:ややスポーツ中毒である、23~27点:スポーツ中毒である)。全文は下記のページで読めますが、登録が必要です。以下、一部引用しながら話を進めますが、

「スポーツ中毒」の診断に統一基準を

「スポーツは健康的な体をつくるが,スポーツをしないと気がすまないといった『スポーツ中毒』に陥ると,身体や精神に障害を生じる」
はい、そこが難しいところですね。

「家族や友人よりもスポーツを優先したり,あるいは疲労や痛みがあり,医師が止めるにもかかわらず,トレーニングを続けるのは,このホルモン(エンドルフィン)だけが原因ではないという。その最大の原因は,スポーツにより自分の掲げた目標が達成され,自己の能力を証明できるという精神性にある。30歳代後半から50歳までの男性では,仕事での出世が絶たれ,能力の低下を実感する者が多い。そこで,やればやるだけ成果が得られるスポーツに魅せられる。「10km走れた。しかも,タイムはどんどん伸びている」と。人生のなかで,スポーツほど成果を実感できるものはない」
そうか、何となくそんな気がしてのめり込まないようにしようと思っていたのですが、、

「女性では20歳代前半までの年齢群のほうがスポーツ中毒になるリスクが高い」「この年齢群では,望み通りの体重と理想的な体型を手に入れようとスポーツをするが,この場合,拒食症を併発することもまれではないという」
こちらは更に注意が必要ですね。運動して、よく食べて、脂肪が落ちて筋肉がついて、それで体重が減るのなら問題はないのですが、運動しながら食べずにやせるのでは、骨がボロボロの骨粗鬆症状態で、無月経に陥ったりすることも多く(某駅伝伝統校では全員寮生活で全員が無月経だったという)、そこから回復するには多大な努力と治療が必要になります。

スポーツ中毒には「患者をスポーツに駆り立てる特定の誘発因子(ジョギングシューズへの憧れなど)が存在することが多い」
そうかな? 私の場合はフルマラソンへの憧れがあるかもしれませんが、まだまだ走れるレベルではないし。。

「スポーツをしないと24~36時間で禁断症状が現れる場合は,明らかにスポーツ中毒である。こうした患者は,疾患やほかにすべきことがあってもジョギングしなければ気がすまない」
仕事が溜まっているのに運動していることは多々あり。(^^;)

「Schack博士によると,定期的にジョギングをする人の 5 ~ 7 %がこのような重症患者で,軽症患者はこれよりもはるかに多い」
はい。

「問診により,患者にとってスポーツはどのような意味があるのか,いかなる目標が重要なのかを明らかにすべきである。最も重要なのは,患者にその目標を達成できる運動能力がまだあるのかということである。この能力を取り戻すことができない場合は,スポーツ心理専門医を紹介すべきである」
スポーツ心理専門医というのがあるんですね。確かに必要かもしれませんが、日本ではまだまだこれからだと思います。

スポーツ中毒の診断基準(スポーツ内科医の日記)

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