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新型コロナ:リスク評価とかけ離れた各地の対策と一般の認識…現在の八戸(1千万分の1)は4月の東京(千分の1)の1万分の1

2020年05月26日 | 新型コロナ
感染症の流行レベル(リスク)とその対策というのは、今回の感染者数の推移でわかる通り、指数関数的に上下します。その感覚というのが、政府やメディアだけでなく(というか、政府やメディアのせいで)、一般の方には全く伝わっていないということを痛感しています。

誰もこういった議論をしてくれないので、わかりやすいように次の5段階で考えてみました。

◆ リスクのレベル(試案)
レベル5:千分の1(10*-3) 0.1%
レベル4:1万分の1(10*-4) 0.01%
レベル3:10万分の1(10*-5) 0.001%
レベル2:100万分の1(10*-6) 0.0001%
レベル1:1000万分の1(10*-7) 0.00001%

3月末の東京はレベル5で、現在の東京はレベル3を切ってレベル2に届くかどうか。
八戸は3月末でもレベル2で、現在は東北・新潟の7県だけでなく全国のほとんどの地域でレベル1に相当すると考えます。
(上記のレベル区分や評価は仮説であり、定量的な裏付けまではありませんが、大きくは外れていないはずです。1年後に思い出したら再評価してみます。)

3月末の東京では一時に1万人くらい無症候者も含めた感染者がいたと考えてもおかしくない。
1万/1千万=千分の1なのでレベル5。

現在はおそらく2桁以上は下がって百人〜数十人程度になっているとすると、レベル3からレベル2に向かうところと推測します。

八戸では一貫して市中感染は発生しなかったけれど、3月末には東京からの移入例がいる可能性があったので、レベル2からレベル3に上がらないか注意深くみてきましたが、無事封じ込めに成功して、4月上旬から青森県内では新規感染者ゼロ(十和田の院内感染・家族感染を除く)が続いているので、現在はレベル1に相当するのではないかと考えます。

レベル1の「0.00001%(1千万分の1)のリスク」と言われても、私も含めて普通の人はどれくらい小さいか頭の中で測れないので、考えに入れないと思います。

例えば、予防接種後の重大な副反応として想定するのはレベル2の百万分の1より小さいことが一つの基準になります(これより高いリスクのワクチン=年間百万人生まれる赤ちゃんの1人以上=は許容されないということです)。このくらいの数字になると、たまたま接種後の時期に重なって乳幼児突然死症候群(SIDS)などで亡くなる赤ちゃん(年間百例前後)がいても不思議ではないので、そういったケースも紛れ込み事故として救済制度の対象になります。それを含めたのが、予防接種の副反応の重大事例の数字なのです。

交通事故死はかつて年間1万人発生していたので、1万分の1でレベル4に相当します。
なので、当然対策が必要となり、自動車の改良、交通ルールの徹底や厳罰化、道路・交差点の改良などにより桁が一つ下がってきましたが、まだ年間千人(レベル3)までには達していません。

ただし、運転者、歩行者、自転車などがリスクを意識して行動すること(行動変容)により、リスクのレベルは二桁くらい下げることができます。

ここに書いた新型コロナにおける数字は、そのリスク(確率)で感染者に接触するという意味で、同じように三密回避などの「行動変容」によって感染する可能性は相当に低くすることができます。

更に、もし感染したとしても、伝えられている死亡率(致死率)4%は診断がついた有症状者や接触者を分母とする数字ですから、無症候者を含む実質的な死亡率は0.1%(千分の1)のレベルになるはずです。(当初の予想の範囲内)

上記の1千万分の1に、更に千分の1を掛けると、もう数字上の遊びでしかなくなる。(100億分の1?)

更に更に、この4%という致死率は、0歳から80歳以上まで含めて平均化した数字で、20歳未満の死亡は日本ではゼロです。

では、八戸の子どものリスクは?
もう考えるのがアホらしくなってきたでしょう。

(追記)もし八戸のリスクレベルが上がってくる気配があれば、いち早くアラートを出すアンテナは張っています。

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