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新型コロナワクチン:中学生は推奨、高校生は強く推奨、大学生は学生生活を取り戻すために必要、小学生は初年度ゆっくり接種、幼児は判断保留

2021年06月23日 | 新型コロナ
ファイザーの新型コロナワクチンが12歳以上で接種できるようになりましたが、八戸市では未だに12-15歳のみならず、16-64歳の接種券すら発送される気配がありません。
この後、順次接種が開始され、夏休みの期間に接種を加速させなければいけません。
おそらく半年以内には、12歳未満の接種も可能になるはずです。
小児のワクチン接種について、現段階での見解をお知らせしておきます。

1)最優先は、教師、保育士、両親など
 子どもの感染のほとんどは、家庭、教師・保育士、部活指導者など、大人からもたらされ、子ども同士の感染はあっても三次感染はまれです。これら周囲の大人が接種を済ませれば、子どものリスクは大幅に低減します。

2)学校での集団接種は不可
 この点については、学会や文科省の見解も出されていますが、小児科医のほとんどは元々そのように考えていたはず。私自身も、もしそのような事態になっても協力することはないと内部で表明していました。
 問題は、ワクチンそのものの副反応ではなく、過度の不安や恐怖から生ずる症状(血管迷走神経反射)が、友人や同級生の間で連鎖的に増幅され、報道されるような社会的問題になること。

3)各年代でのワクチン接種の必要性

・中学生「推奨」
 感染時のリスクは必ずしも高くはないが、部活、遠征、宿泊行事、受験などを考えれば、多くの生徒が接種を済ませておけばリスクは限りなく低くなる。1)の教師、両親、部活指導者が優先の原則の上で。

・高校生「強く推奨」
 原則は中学生と同じで、部活や対外的な活動が拡大し、ハイティーンになると感染リスクは若者と同等になるので、必要性はより高くなる。

・大学生「学生生活を取り戻すために必要」
 現在の日本の社会では、本来あるべき学生生活である対面授業、ゼミ、サークル活動、合宿、飲み会などを取り戻すためには、ワクチン接種が最も求められる世代と言える。

・小学生(12歳未満)「初年度のみ、ゆっくり接種」
 まだ適応拡大になっていないが、数カ月以内には始まる見込み。感染時のリスクは中学生よりも更に低く、親や教師が接種済みなら、優先順位はその後でも構わない。ただし、社会的な問題(いまの日本では、コロナ流行が収束してもすぐに「何も検査しなくてもいいただの風邪」に収まる可能性が低いこと)を考えると、初年度の2回接種は済ませておいた方が良い。大人で予想される追加接種については、たぶん必要ないと考える(今のところ確たる根拠はないが)。

・乳幼児(6M〜就学前)「判断保留」
 この年代については、これから出てくる海外治験の情報を待ちたいと思うが、個人的意見としては、この年代がワクチンではなく自然感染による免疫を獲得することにより、20年後に新型コロナが旧型コロナとなる第一世代になるべきではないかと考えている。現時点では、接種の必要性はどちらとも言えません。

4)小児・若年者で副反応は強く出るのか
(追記予定)現段階の情報では大人と同等

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