踊る小児科医のblog

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こんにゃくゼリーを禁止できない理由

2007年05月25日 | こども・小児科
毎度のことながら、この国(あるいは国民)には、ものごとを正面からきちんと見て、評価して、行動するというシステムが存在しないのではないかと考えてしまいます。

この四分割図は単純に比較できないものごとを2つの評価軸の二次元に無理矢理はめ込んだもので、主観も入っていますが、議論のためのサンプルとして出してみました。
実を言うと、こういう四分割図が大好きで、いろんなものを考えるときに使ってます。
もちろん、この2軸だけでなく、現実には「お金(払うお金と入ってくるお金=核燃マネーなど=の2種類)」とか「時間」といった大きなファクターが加わってきて、三次元四次元の世界になるのも承知しています。

こんにゃくゼリーについては、一番下の国民生活センターからの引用をご覧下さい。
EUでは禁止。
米国でもみつけたら届けるよう警告が出ている商品です。

長くなりそうなので、2回に分けます。
この四分割図では、左上(A)が不要で危険なもの、右下(D)が必要で危険性が少ないもの、右上は必要でリスクが大きいもの、左下は必要性もリスクも小さいもの。

(A)は技術革新などでリスクを極端に下げることができない限り、捨て去るべきものです。
以前から赤ちゃんには不要なだけでなく事故が多発しているので禁止すべきと主張していたのが「クーファン(かご型のキャリー)」と「歩行器」。
現在、私が所属団体で力を入れて運動してのが、タバコ問題と核燃問題。
この2つは突出して不要かつ危険性大だからです。
タバコは現実に毎年500万人が死んでいます。

こんにゃくゼリーは無くても困らないし、「こんにゃくの入っていないゼリー」でも「ただのこんにゃく」でも、代替品はいくらでもあります。
「子どもや高齢者に食べさせることを控えるべき」では事故は防げないというのは基本中の基本。

逆に麻疹ワクチンや産科医療は、他に代用するものがなく、無くなったら取り返しのつかない絶対に必要なもの。
それなのに、リスクばかりを取り上げて大騒ぎしたために崩壊してしまったのが現在の産科医療。
そして麻疹(はしか)の流行。

さて、こんにゃくゼリーを発売禁止にしない理由は何でしょう?
私には見当もつきません。
タバコについては構造的な問題が全部みえていますが。。

死亡事故2件発生 こんにゃく入りゼリーの事故 -子どもや高齢者に与えないこと!(国民生活センター)
>(1)FDA(米国食品・医薬品局)は警告と回収を実施
>   こんにゃく入りゼリー等を見かけたら連絡するよう呼びかけている。
>(2)EUではこんにゃく入りゼリーを禁止

>こんにゃく入りゼリーで引き続き重大事故が続いている現状に鑑みると、
>事故の再発を防ぐための明確な方策が示されない現状においては、
>こんにゃく入りゼリーは子どもや高齢者に食べさせることを控えるべきである。

>参考:当センターがこれまでに実施したこんにゃく入りゼリーに関する注意喚起
(1)こんにゃく入りゼリーで、死亡事故が起きています!(1995年10月16日)
(2)乳幼児には危険!?一口サイズのこんにゃく入りゼリー(1995年11月1日)
(3)続発!一口サイズのこんにゃく入りゼリーによる死亡事故(1996年6月21日)
(4)一口サイズのこんにゃく入りゼリーによる死亡事故がまた起きました(1996年7月12日)
(5)お年寄りも死亡!一口サイズのこんにゃく入りゼリー(1996年8月14日)
(6)ソフトタイプこんにゃく入りゼリーでも窒息事故 幼児には与えない方が無難(1997年9月5日)
(7)こんにゃく入りゼリーの事故-幼児、高齢者はとくにご注意!-(2006年11月13日)

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