昨日発表になった福島県の甲状腺がん検診結果を以前の表に付け加えて比較してみました。
(クリックして別ウインドウに拡大)
→第16回福島県「県民健康調査」検討委員会 資料の掲載について(平成26年8月24日開催)
→5月の時点でのブログ記事はこちら
福島の甲状腺がん「確定49+疑い40=89例」 増えたこと(2年目)も増えないこと(3年目)も懸念材料(2014年05月20日)
一次検査受診者数がどういうわけか1年目・2年目で減ってます。集計ミスがあったのかわかりません(本文未読)。
B+C判定が167人増えて、二次検査受診者も197人増。細胞診も3年目が49人増(2年目が1人減)。
手術した人数は2年目5人、3年目2人増えて、7人とも甲状腺がん確定(乳頭癌6人、低分化癌1人)。
1年目の「低分化癌疑い」から疑いがとれて「低分化癌」が1人増加。
合わせて、確定例が57人(乳頭癌55人、低分化癌2人)に「8増」。
「確定+疑い」は、1年目2年目は変化なし(確定が増えた分、疑いが減少)。
3年目が21人から35人に「14増」。合計も89人から103人に「14増」。
以前予想していたように、100人のラインを超えてきた。
有病率は3年目も10万人あたり30人を超えてきた。
3年目は二次受診率も低めで、細胞診実施率は1年目>2年目>3年目なので、有病率ももう少し上がる可能性があり、1年目・2年目・3年目の差は明らかではなくなってきた。(前回書いた3年目がかなり低くなる懸念は少なくなってきた)
おかしな表現になるが、甲状腺がんの患者数が増えたことで、逆に懸念材料は減ってきたということになる。
(このあたり理解していただけない方が多いだろうと想像しますが、そのために毎回表にしてお示ししているのです)
有病率 2年目>1年目>3年目
一次検診陽性率 1年目<2年目<3年目
細胞診実施率 1年目>2年目>3年目
二次受診者中の「確定+疑い」の割合 1年目>2年目>3年目
細胞診実施者中の「確定+疑い」の割合 1年目<2年目<3年目
疑問点はここ。
前回も書いたが、同じ基準で判定して細胞診や手術を実施しているのかという点。
一次検診の陽性率は後になるほど高めになっているが、二次検診受診者中の細胞診実施率は明らかに後になるほど低い。
結果的に、二次受診者中の「確定+疑い」の割合も後になるほど低くなっているが、細胞診実施者中の「確定+疑い」率は逆に高くなっている。
要するに、年度が進むにつれて、細胞診を厳選して実施するようになってきて、二次受診者中の「確定+疑い」率も低くなっている。
細胞診実施率 × 細胞診実施者中の割合 = 二次受診者中の割合
1年目 46.5% × 15.6% = 7.2%
2年目 28.6% × 21.2% = 6.1%
3年目 16.2% × 25.0% = 4.0%
これに、一次の陽性率が「1年目<2年目<3年目」であることと、二次受診率が①88.2%、②90.4%、③84.0%と3年目がまだ残っていることも加わり、結果的に有病率の差が少なくなって、「2年目>1年目>3年目」となっている。
この結果をどう読むのかはよくわからない。判定・実施基準の変動が全体に影響している可能性がないかどうか。
地域ごとの比較は元の資料でなされていますが、3年目にいわきと会津という別々の地域が混在しており、2年目が中通りであるという点も懸念が残る。
この数字は、「スクリーニング効果10年分」という非常に厳しい(というか甘いというか)判断としても、ベラルーシの90年代に相当するということは前にも書きました。
今年度からの「二巡目の検査結果待ち」という結論は変わりません。
(これまでが「先行調査」で今年度からが「本格調査」と位置づけていますが、一巡目、二巡目と表現した方が現実に即している)
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福島の甲状腺がん「確定49+疑い40=89例」 増えたこと(2年目)も増えないこと(3年目)も懸念材料(2014年05月20日)
一次検査受診者数がどういうわけか1年目・2年目で減ってます。集計ミスがあったのかわかりません(本文未読)。
B+C判定が167人増えて、二次検査受診者も197人増。細胞診も3年目が49人増(2年目が1人減)。
手術した人数は2年目5人、3年目2人増えて、7人とも甲状腺がん確定(乳頭癌6人、低分化癌1人)。
1年目の「低分化癌疑い」から疑いがとれて「低分化癌」が1人増加。
合わせて、確定例が57人(乳頭癌55人、低分化癌2人)に「8増」。
「確定+疑い」は、1年目2年目は変化なし(確定が増えた分、疑いが減少)。
3年目が21人から35人に「14増」。合計も89人から103人に「14増」。
以前予想していたように、100人のラインを超えてきた。
有病率は3年目も10万人あたり30人を超えてきた。
3年目は二次受診率も低めで、細胞診実施率は1年目>2年目>3年目なので、有病率ももう少し上がる可能性があり、1年目・2年目・3年目の差は明らかではなくなってきた。(前回書いた3年目がかなり低くなる懸念は少なくなってきた)
おかしな表現になるが、甲状腺がんの患者数が増えたことで、逆に懸念材料は減ってきたということになる。
(このあたり理解していただけない方が多いだろうと想像しますが、そのために毎回表にしてお示ししているのです)
有病率 2年目>1年目>3年目
一次検診陽性率 1年目<2年目<3年目
細胞診実施率 1年目>2年目>3年目
二次受診者中の「確定+疑い」の割合 1年目>2年目>3年目
細胞診実施者中の「確定+疑い」の割合 1年目<2年目<3年目
疑問点はここ。
前回も書いたが、同じ基準で判定して細胞診や手術を実施しているのかという点。
一次検診の陽性率は後になるほど高めになっているが、二次検診受診者中の細胞診実施率は明らかに後になるほど低い。
結果的に、二次受診者中の「確定+疑い」の割合も後になるほど低くなっているが、細胞診実施者中の「確定+疑い」率は逆に高くなっている。
要するに、年度が進むにつれて、細胞診を厳選して実施するようになってきて、二次受診者中の「確定+疑い」率も低くなっている。
細胞診実施率 × 細胞診実施者中の割合 = 二次受診者中の割合
1年目 46.5% × 15.6% = 7.2%
2年目 28.6% × 21.2% = 6.1%
3年目 16.2% × 25.0% = 4.0%
これに、一次の陽性率が「1年目<2年目<3年目」であることと、二次受診率が①88.2%、②90.4%、③84.0%と3年目がまだ残っていることも加わり、結果的に有病率の差が少なくなって、「2年目>1年目>3年目」となっている。
この結果をどう読むのかはよくわからない。判定・実施基準の変動が全体に影響している可能性がないかどうか。
地域ごとの比較は元の資料でなされていますが、3年目にいわきと会津という別々の地域が混在しており、2年目が中通りであるという点も懸念が残る。
この数字は、「スクリーニング効果10年分」という非常に厳しい(というか甘いというか)判断としても、ベラルーシの90年代に相当するということは前にも書きました。
今年度からの「二巡目の検査結果待ち」という結論は変わりません。
(これまでが「先行調査」で今年度からが「本格調査」と位置づけていますが、一巡目、二巡目と表現した方が現実に即している)