一昨日のクローズアップ現代(9月4日)
「北朝鮮“水爆実験”の衝撃 危機の行方は」
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4026/
▽鈴木達治郎先生は最後に「戻れない、解体・非核化ができないようなところを越えてしまう可能性がある。できるだけ早く、これを止める。凍結でもいいから止める方向で、対話の糸口を見つけていただきたい」と提起した。
(追記:7月のBS1スペシャルにおける鈴木教授の発言を最後に掲載しておきました)
これが最大のポイントで、多くの人は既に一線を越えてしまったのではないかと危惧している。鈴木先生もそれを意識しつつ、ここが(もしかしたら戻れるかもしれない)最後の瀬戸際だと警告されたのではないか。
▽渡部恒雄氏は「対話・軍事力行使・制裁強化、どれを取るということではなく、3つがバランスを取って、最終的なゴールに落とすためのものであって、「対話を図るために軍事力はすべきじゃない」ということを言う人がいるが、そういうふうに考えるものではない」と指摘。
これは確かにそうで、金正恩が「核武装により国や自分の命を守れる」のではなく、「国も滅びるし自分も殺される」のだという具体的な圧力(強力な制裁+軍事的オプション)を感じないと、対話のテーブルに着く(あるいはそのためのコンタクトをとる)ことすらできない。
ただし、現在の「制裁→軍事オプションの脅し→対話」という方策では何も解決できないことも明白。「最終的なゴール」を誰も描けていないのではないか。。
▽平岩氏は「国際社会は非核化のための対話だが、北朝鮮は核保有国として認めることを求めるわけで、接点を見いだして対話に入っていくのは難しい」とも指摘。
これが問題で、、話を思いっきり端折ると、「核抑止論で核拡散を防ぐことはできない」という「仮説」が実証されたと言えるのかもしれない。(最初の鈴木氏の指摘については、すでに一線を越えていると考えざるを得ない)
北朝鮮が既に核保有国であることを認めれば(※)、核抑止論に従うと、米朝が核でにらみ合った状態は「今後ずっと平和が保たれる状態」であると言うことができる。メデタシメデタシ
※実戦配備できる兵器としての精度などは落ちるとしても
▽つらつらと考えるに、過去の選択肢で少なくとも2つの過ちがあったのではないか。。
1)朝鮮戦争を過去のどこかの時点で終結させることができなかったのか
(具体的には指摘できないが、クリントン時代ではないか)
2)オバマ大統領の核先制不攻撃宣言が、「核の傘」同盟国、とりわけ日本の安倍首相の強硬な反対により阻止されたこと
もし「核抑止力」が存在すると仮定しても、それを何ら損なうことなく、北朝鮮の核開発のエスカレートを止めて緊張緩和の第一歩にすることができたはず。
これを安倍晋三が阻止したということは、金正恩の言っていること(米国の核から国を守るためには核武装が必要)が正しいと認めたに等しい。米国は核先制攻撃を否定していないのだから、抑止力としては核武装しかない。
▽現在の危機は、米朝両国だけでなく、中露首脳などの責任が大きいことは確かだが、我が国の安倍晋三が、「解決不能問題」に押しやった最大のキーマンであったと考えられる。ここにおいて、アベ・シンゾーは歴史に名を残した。
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(追記)BS1スペシャル「東アジア核拡散の脅威〜世界が恐れる最悪のシナリオ」(7/30)より
https://www.dailymotion.com/video/x5x1cv4
鈴木教授の核拡散防止に関する取り組みについて教えて下さい。それはどこまで有効なのか、お話いただけますか。
私たちの取り組みの一つに、地域包括的安全保障の枠組みがあります。
日本と韓国、北朝鮮が核兵器を保有しないことを約束、核兵器のない地域をつくるのです。
一方で、中国、ロシア、アメリカなどの核兵器保有国から核攻撃をしないという取り決めを結び、消極的安全保障を得ます。
まず最初に、民間による対話を通じ、北朝鮮を巻き込んでいきたいのです。
最終的には、こうしたプロセスを通じ、地域内に信頼を構築していきたいと考えています。
<鈴木さんは最後に、核拡散を食い止めるためには、長期的には、核廃絶を目指す取り組みを進めることが不可欠だと主張しました。核兵器はいったん使用されると、長期にわたり、人体や環境に重大な影響を与え、非人道的な兵器であるという認識からでした>
長期的には、核兵器は廃絶されなければならないという原則を作り上げていくべきです。短期的には難しいでしょうが、いわゆる人道的な取り組みは、長い目で見れば広げていけます。誰もが最悪のシナリオを回避したいですからね。これは強調しておかなければなりません。オバマ大統領の広島訪問は、長いスパンで考えれば、かなりの影響を与えたと思います。今度は、他の核兵器保有国の指導者たちにも、広島や長崎に来るように勧めたいですね。そうすれば、全ての指導者に、核兵器の人道的な影響を感じてもらうことができるでしょう。これが、今日の議論を通じて、私が考えたことです。
「北朝鮮“水爆実験”の衝撃 危機の行方は」
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4026/
▽鈴木達治郎先生は最後に「戻れない、解体・非核化ができないようなところを越えてしまう可能性がある。できるだけ早く、これを止める。凍結でもいいから止める方向で、対話の糸口を見つけていただきたい」と提起した。
(追記:7月のBS1スペシャルにおける鈴木教授の発言を最後に掲載しておきました)
これが最大のポイントで、多くの人は既に一線を越えてしまったのではないかと危惧している。鈴木先生もそれを意識しつつ、ここが(もしかしたら戻れるかもしれない)最後の瀬戸際だと警告されたのではないか。
▽渡部恒雄氏は「対話・軍事力行使・制裁強化、どれを取るということではなく、3つがバランスを取って、最終的なゴールに落とすためのものであって、「対話を図るために軍事力はすべきじゃない」ということを言う人がいるが、そういうふうに考えるものではない」と指摘。
これは確かにそうで、金正恩が「核武装により国や自分の命を守れる」のではなく、「国も滅びるし自分も殺される」のだという具体的な圧力(強力な制裁+軍事的オプション)を感じないと、対話のテーブルに着く(あるいはそのためのコンタクトをとる)ことすらできない。
ただし、現在の「制裁→軍事オプションの脅し→対話」という方策では何も解決できないことも明白。「最終的なゴール」を誰も描けていないのではないか。。
▽平岩氏は「国際社会は非核化のための対話だが、北朝鮮は核保有国として認めることを求めるわけで、接点を見いだして対話に入っていくのは難しい」とも指摘。
これが問題で、、話を思いっきり端折ると、「核抑止論で核拡散を防ぐことはできない」という「仮説」が実証されたと言えるのかもしれない。(最初の鈴木氏の指摘については、すでに一線を越えていると考えざるを得ない)
北朝鮮が既に核保有国であることを認めれば(※)、核抑止論に従うと、米朝が核でにらみ合った状態は「今後ずっと平和が保たれる状態」であると言うことができる。メデタシメデタシ
※実戦配備できる兵器としての精度などは落ちるとしても
▽つらつらと考えるに、過去の選択肢で少なくとも2つの過ちがあったのではないか。。
1)朝鮮戦争を過去のどこかの時点で終結させることができなかったのか
(具体的には指摘できないが、クリントン時代ではないか)
2)オバマ大統領の核先制不攻撃宣言が、「核の傘」同盟国、とりわけ日本の安倍首相の強硬な反対により阻止されたこと
もし「核抑止力」が存在すると仮定しても、それを何ら損なうことなく、北朝鮮の核開発のエスカレートを止めて緊張緩和の第一歩にすることができたはず。
これを安倍晋三が阻止したということは、金正恩の言っていること(米国の核から国を守るためには核武装が必要)が正しいと認めたに等しい。米国は核先制攻撃を否定していないのだから、抑止力としては核武装しかない。
▽現在の危機は、米朝両国だけでなく、中露首脳などの責任が大きいことは確かだが、我が国の安倍晋三が、「解決不能問題」に押しやった最大のキーマンであったと考えられる。ここにおいて、アベ・シンゾーは歴史に名を残した。
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(追記)BS1スペシャル「東アジア核拡散の脅威〜世界が恐れる最悪のシナリオ」(7/30)より
https://www.dailymotion.com/video/x5x1cv4
鈴木教授の核拡散防止に関する取り組みについて教えて下さい。それはどこまで有効なのか、お話いただけますか。
私たちの取り組みの一つに、地域包括的安全保障の枠組みがあります。
日本と韓国、北朝鮮が核兵器を保有しないことを約束、核兵器のない地域をつくるのです。
一方で、中国、ロシア、アメリカなどの核兵器保有国から核攻撃をしないという取り決めを結び、消極的安全保障を得ます。
まず最初に、民間による対話を通じ、北朝鮮を巻き込んでいきたいのです。
最終的には、こうしたプロセスを通じ、地域内に信頼を構築していきたいと考えています。
<鈴木さんは最後に、核拡散を食い止めるためには、長期的には、核廃絶を目指す取り組みを進めることが不可欠だと主張しました。核兵器はいったん使用されると、長期にわたり、人体や環境に重大な影響を与え、非人道的な兵器であるという認識からでした>
長期的には、核兵器は廃絶されなければならないという原則を作り上げていくべきです。短期的には難しいでしょうが、いわゆる人道的な取り組みは、長い目で見れば広げていけます。誰もが最悪のシナリオを回避したいですからね。これは強調しておかなければなりません。オバマ大統領の広島訪問は、長いスパンで考えれば、かなりの影響を与えたと思います。今度は、他の核兵器保有国の指導者たちにも、広島や長崎に来るように勧めたいですね。そうすれば、全ての指導者に、核兵器の人道的な影響を感じてもらうことができるでしょう。これが、今日の議論を通じて、私が考えたことです。