踊る小児科医のblog

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「真実を知らされていない国民」by マーク・ギブンズ氏

2010年01月23日 | 禁煙・防煙

これは、2006年6月にオーストラリア人看護師マーク・ギブンズさん(当時愛媛県在住、現在帰国)が禁煙お遍路で日本列島を徒歩で縦断した際に、市内の小学校で防煙授業をしたときの写真です。
(以下は私が毎年小学6年生に行っている防煙授業でも触れているエピソードです)


マークさんは、鹿児島から北海道の宗谷岬まで歩ききってゴールしたときに、ゴールできて嬉しいのではなく「カナシイ」とおっしゃいました。何が悲しいかというと「こうしてゴールした今も、毎日300人(※)もの人がタバコで亡くなっている。その状態は何も変わっていない。それが悲しい」とのことでした。


禁煙授業のときに小学生が「タバコを吸っている人のことをどう思いますか」という良い質問をしてくれました。マークさんは、母国オーストラリアと比較しながら「真実を知らされずに(半数の人が)亡くなっていく、カワイソウ」と答えました。

オーストラリアでは、テレビのCMでこのような禁煙キャンペーンが流されています。
http://www.quitnow.info.au/internet/quitnow/publishing.nsf/content/smokescreen-lp
ぜひご覧下さい。これが各家庭のテレビで流れているのです。

一方、日本ではJTがゴミ拾いをしたりバレーボールで社会に貢献しているというCMが堂々と流されています。
http://www.jti.co.jp/knowledge/tvcm/

このような企業イメージアップ広告は、タバコ規制枠組み条約で規制されているのですが、日本政府は何ら新たな規制に乗り出そうとしていません。

※毎日300人というのは、毎年11万4千人死亡という推計から割り出したものですが、その後、厚労省研究班の報告で年間約20万人(毎日500人以上)という推計値が新たに出されています。

オーストラリアでは現在でも800~1200円のタバコ価格を1600円に上げるべきという政府報告書が出されています。これはこのブログでも話題にしました。

ノルウェー1450円、オーストラリアは1600円へ:タバコ1箱
http://blog.goo.ne.jp/kuba_clinic/e/a7bcecee2fea78865b39af894619aed6

日本では300円という世界最低レベルの価格を100円あげて400円にするだけでこの有様です。1600円の4分の1に過ぎないのに。

衆院予算委 「貧乏人は喫煙するな」か! 民主・吉田公氏、増税批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100122-00000061-san-pol

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