踊る小児科医のblog

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メディアの自殺報道が連鎖を加速させているという現実

2006年11月23日 | こども・小児科
一連の報道の最初から危惧していましたが、こんなの昔から言われていて誰でも知っていることで、ウェルテル効果という言葉もあるようです。
(この言葉は今回初めて知りましたが)
ゲーテの『若きウェルテルの悩み』ですね。(スミマセン、読んでません)
せめて『若きウェルテルの悩み』を読んでから悩んでくれればいいのですが。。

自殺対策支援センター・ライフリンクで自殺報道のあり方について、
いじめ自殺の報道について改善を求めます(2006年10月30日)
という声明が既に先月末の時点で発表されています。
その中で2000年のWHO勧告を紹介しているので、ここにも引用させていただきますが、「やるべきこと」をやらずに「避けるべきこと」をやり続けていたことは明らかですね。。
最近になって、報道のあり方を検証する報道も出てきているようですが。。

中高生の命が毎日のように失われ続けているというこの国の現実の異常さは、きれい事ですまされるものではありません。
「いじめをなくそう」スローガン禁止(太田総理)について(保坂展人のどこどこ日記)
この番組は明日24日に放送されるとのことですが、太田総理や保坂氏と多分同じ意見だろうと思います。
「美しい国」を愛する教育基本法改正で、いじめや自殺がなくなるわけがない。
むしろ逆でしょう。
何があってもとりあえず死なないでくれればいい。
「自分の子どもは大丈夫だ。自分の教育やしつけは間違っていなかった」などと言う人は信用できません。
私の子も、皆さんの子も、いつ自殺してもおかしくない。
それを、事前に察知して、止められますか?
子どもの問題は、全て大人の問題だということをまず認識すべきでしょう。

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「自殺を予防する自殺事例報道のあり方について」のWHO勧告(2000年)

1)やるべきこと
・自殺の代わり(alternative)を強調する。
・ヘルプラインや地域の支援機関を紹介する。
・自殺が未遂に終わった場合の身体的ダメージ(脳障害、麻痺等)について記述する。

2)避けるべきこと
・写真や遺書を公表しない。
・使用された自殺手段の詳細を報道しない。
・自殺の理由を単純化して報道しない。
・自殺の美化やセンセーショナルな報道を避ける。
・宗教的、文化的固定観念を用いて報道しない。

○日本における自殺報道の現状
・個々の自殺の手段を詳細に報じる傾向
 例:X-Japanヒデ氏の自殺報道、ネット自殺報道、練炭自殺についての報道
→新しい自殺手段が入手可能であることを大々的に宣伝してないか?
→模倣自殺(ウェルテル効果)
・自殺を考慮中の人が読者に多数いることを前提とした報道がなされていない。
→そのような人々をサポートするメッセージ等がセットで紹介されていない。
   (例:相談機関連絡先)

○諸外国における自殺予防につながるマスコミ報道の実践
・Austria (Etzerdorfer et al. 1998)
 地下鉄自殺に対しメディアが大々的に報道
 →ウィーンの地下鉄自殺急増(1984-87)
 →オーストリア自殺予防協会がガイドライン作成(1987)
 →メディアによる自殺報道のコントロール
 →地下鉄自殺減少(1987後半~)
 →総自殺率低下(1987後半~)
・Sweden (山下志穂、金子能宏、反町吉秀. 2004)
 国立自殺予防センターによる自殺対策

※以上、反町吉秀氏(現・青森県東地方健康福祉こどもセンター保健部東地方保健所 保健医長)による

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2 コメント

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Unknown (三浦)
2006-11-24 04:25:50
いつもいろいろと気付かせていただける内容のブログ、ほんとためになります。
はちのへSNSで直接コメントできないのが残念です。
返信する
はちのへSNSが気になる (くば)
2006-11-24 11:53:04
はちのへ地域SNSに登録してから、(全然八戸と関係ない話題も含めて)何となくそちらを意識して書くようになりました。
mixiではあまり気にしなかったのですが。。
返信する

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