修士論文の作成に追われている夢を見た。なぜか指導教授が高校時代の数学の先生で、追い詰められているのにどこか楽しい感じがした。追い詰められているというのは夢として良くないのかもしれないが、なんとなく楽しい感じがあって、寝覚めは悪くなかった。私が通っていた当時の母校は都立校を定年退職した先生が多かった。数学の先生もそうだったし、物理、化学、地理、日本史も然り。定年退職をして、しかも校長まで経験していながら一教科担当として教壇に立つにはそれぞれの事情もあったかもしれないが、教壇に立つこと自体が好きだったのではないかと、今になってみれば思うのである。当時は高校生などというのは教師の言うことなどきいたりはしないものだったが、授業が成立しないほど酷くもなく、なんだかんだ言っても皆そこそこに進学していった。そういうところだった所為もあるだろうが、先生方も教材研究には熱心で枯れたなかにも活き活きとしたものがあったように思う。やはり好きなことをするというのが傍目に与える印象の大きな要素になっていたのではないだろうか。当時は気付かなかったが、今になってみれば先生方の活き活きがわかるような気がするのである。