万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

政府の”幸福度調査”とは何なのか

2010年03月01日 15時46分10秒 | 日本政治
国民の「幸福度」を調査へ=新成長戦略の指標に-政府(時事通信) - goo ニュース
 誰もが幸福を願うことは当然なことです。民主党政権の政策方針において、時々不安になることは、この誰もが否定できない価値を持ち出して、自党の政策を国民に押し付けてくることです。

 今度は、「幸福度」の調査を行うそうですが、この調査にも要注意です。そもそも、幸福のありかたとは、国民一人一人違いがありますので、調査を行ったところで意味があるとも思えません。国民全員を調査対象しませんと不公平となりますし、「幸福感」を多数決で決めるわけにもいかないからです。また、質問内容の設定によっては、如何様にも国民を誘導できそうですし、政府の実施する大規模な「幸福度」調査に抵抗感を感じる人々もいるかもしれません。聞こえは良いのですが、まるで、政府による思想調査のようでもあります。

 政府は、新成長戦略と結びつけて考えているようです。しかしながら、精神的な幸福と物質的な満足に基づく幸福感との、どちらを問題としているかさえ明確ではありません。政府は、国民が幸福を追求するために必要な条件や環境を整えることに専念すべきであり、幸福感という国民の内面に踏み込むことには慎重であるべきと思うのです。

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