万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

子ども手当―モラル・ハザードの輸出?

2010年03月12日 15時30分01秒 | 日本政治
子ども手当・高校授業料無償化、衆院委が可決(読売新聞) - goo ニュース
 子ども手当法案では、外国人が母国に居住する子どもたちにも支給を予定していることが、問題視されています。財政悪化に加えて、こうした方法は、モラル・ハザードをも輸出することになるのではないかと思うのです。

 日本円で換算すれば、支給額は1万3千円ですが、途上国のレートで換算しますと、この額は、現地では相当の額に上ります。もしかしますと、勤労で得る大人の所得に迫る国もあるかもしれません。親が日本国に居住しているという理由だけで、多額の給付金がもらえるとなりますと、現地の人々や子供たちの間でも複雑な感情が生まれるとも限りません。中には、自分の親にも、来日するように進める子どもや、養子縁組を望む人々も現れても不思議ではないのです。

 給付政策は、国内のみならず、外国にもモラル・ハザードを輸出することになるのではないでしょうか。善意とは、時にして腐敗という厄介な問題を引き起こすものです。

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コメント (12)
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