1995年、チベットでは思わぬ事件が発生しました。それは、二人の”パンチェン・ラマ11世”の出現です。親中派と目されていた先代のパンチェン・ラマ10世が、中国政府非難に転じたことに起因してか、不慮の死を遂げると、ダライ・ラマ14世は、チベットの伝統に則って、パンチェン・ラマ10世の転生者の少年をパンチェン・ラマ11世として承認します。ところが、中国政府は、この少年を密かに北京に連れ去り、中国政府が認定した別の少年を”パパンチェン・ラマ11世”として就任させるのです。
ここに、本者と偽者の二人の”パンチェン・ラマ11世”が現れることになるのですが、中国政府のこの行為は、そもそも「17条協定」に違反しています。「17条協定」には、第4条に”中央当局はチベットに現存している政治制度を変更しない。・・・”とあり、続く第5条には、”パンチェン・エルデニ(ラマ)の既存の地位、役割、権限は維持される。”とあるからです。ダライ・ラマ14世が亡命せざるを得ない状況に追い込まれたこと自体が、この協定に対する違反行為なのですが、加えて、パンチェン・ラマの就任に中国政府の承認を要するとしますと、これもまた、政治制度を変更しないとする協定の条文に反して、重大な制度変更を行ったことになります。
当事者による違反行為は、条約終了の理由となりますので、チベット亡命政府は、この協定違反の問題を国際社会の法廷に提起すべきではないかと思うのです。現在、北京で開催されている全国人民代表大会では、チベットへの予算を増やすことで不満を抑えようとしているようですが、両者の関係は、1951年に強制されたこの「17条協定」の効力を根本から問わない限り、解決しないのではないでしょうか。
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ここに、本者と偽者の二人の”パンチェン・ラマ11世”が現れることになるのですが、中国政府のこの行為は、そもそも「17条協定」に違反しています。「17条協定」には、第4条に”中央当局はチベットに現存している政治制度を変更しない。・・・”とあり、続く第5条には、”パンチェン・エルデニ(ラマ)の既存の地位、役割、権限は維持される。”とあるからです。ダライ・ラマ14世が亡命せざるを得ない状況に追い込まれたこと自体が、この協定に対する違反行為なのですが、加えて、パンチェン・ラマの就任に中国政府の承認を要するとしますと、これもまた、政治制度を変更しないとする協定の条文に反して、重大な制度変更を行ったことになります。
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