昨日の新聞に、商船三井が液化天然ガス(LNG)輸送船を6隻投入するという記事があり、そのうち、4隻は中国政府の義務付けて中国メーカーに発注すると報じられていました(3月3日付日経新聞朝刊)。
最初にこの記事を読んだ時には、中国政府の義務付けが何を意味しているのかよく分かりませんでした。何故ならば、発注者は、日本の商船会社なのですから、中国政府の義務付けに従う理由が理解できなかったのです。しかしながら、LNGの輸送が中国向けであるとしますと、この謎は解けます。何と、中国は、現代版の”航海条例”を敷いているらしいのです。案の定、中国政府は、2006年からLNGの輸入を開始し、今後、さらに海外からの輸入量を増やす計画とのことです。つまり、この事例から推測しますと、自国向けの輸送船の三分の二は、自国で建造されたものでなければならない、ということらしいのです。
17世紀に、オランダに押されていたイギリスが、自国の港への外国船の入港を制限する航海条例を発布して、オランダ船を締め出したことはよく知られています。中国の手法は、明らかに、航海条例に近似しており、保護主義なのではないかと思うのです。また、造船市場における競争を不当に歪める行為でもありますので、中国政府に対して、是正を求めるべきなのではないでしょうか。
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