万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ボランティアの善意を活かす工夫を

2011年04月29日 14時37分42秒 | 日本政治
連休中、ボランティア3倍か…受け入れ中断も(読売新聞) - goo ニュース
 東日本大震災による甚大な被害を受けた被災地では、日常生活を取り戻すために、散乱する瓦礫を撤去したり、浸水被害を受けた家屋を掃除するなど、膨大な労力を要します。こうした力仕事は、到底、被災地の自治体や被災者の方々の手だけでは無理であり、全国から集まるボランティアは、何よりも頼りになる存在なはずです。

 にもかかわらず、報道によりますと、せっかくに善意から被災地でのボランティア活動を望みながら、諸般の事情により、断念せざる得ないケースがあるそうです。ボランティア・ツアーもキャンセル待ちの状態なそうで、このままでは、善意が生かされないことになりかねません。ボランティアを制限せざるを得ない現地の理由とは、(1)地方自治体の対応職員が不足している、(2)自治体側でも、被災者のニーズやボランティアにかませる仕事を把握しきれていない、(3)宿泊施設が足りない、(4)バスの駐車場が準備できない、といったことのようです。

 こうした問題は、工夫次第で解決ができないわけではありません。(1)については、自治体職員の不足は、内部のみならず、外部の国や隣接する自治体からも、応援職員を受け入れることである程度解消できますし、(2)についても、被災された方々に対して積極的に広報活動を展開したり、公道や公園といった公共施設の整備を依頼することで、ボランティアの仕事を用意することができます。(3)や(4)についても、今年のGWは自粛ムードとのことですので、宿泊可能な大型バスをチャーターしたり、現地に駐車場がなければ、都市部を拠点としたシャトル・バスを準備するといった方法もあります。

 多くの方々が、少しでも被災された方の役に立ちたいと願っております。人手はいくらあっても足りないぐらいなのですから、至急に、ボランティアの受け入れ体制を整備していただきたいと思うのです。

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コメント (11)
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