万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

リーダーシップなきリーダーの悲劇

2011年04月27日 16時29分06秒 | 日本政治
経団連会長「間違った陣頭指揮が混乱を起こす」(読売新聞) - goo ニュース
本日の日経新聞の一面に、元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏が「指揮命令系を一つに」と題する文を寄稿しておりました。

 危機に際しては、リーダーシップが運命を分けることは論を待ちません。東日本大震災に際しても、機転を利かして迅速に判断し、リーダーシップを発揮した方のおかげで、被害を最小限に押さえることができたケースが、数多く報告されています。ニューヨークが、同時多発テロの危機を乗り越えたのも、ジュリアーに氏の卓越したリーダーシップがあってのことです。一方、我が国の現状に照らして考えてみますと、菅首相を中心として、指揮命令系統を一つにまとめることにも不安があります。判断力や責任感に乏しい人物が、独断で命令を発するとしますと、誤った判断が、即座に末端まで及んでしまうからです。首相の判断が、被害や犠牲をさらに拡大させる可能性も否定はできません。

 これまで、我が国では、首相の選出に際しては、派閥の力学が働いたり、政治的妥協の結果であったりと、リーダーとしての素質を問うことはありませんでした。今回の大震災は、これまでの政治家の選出基準では、いざという時に、国を傾けることになることを、思い知らされたように思うのです。

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