万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

工場の西日本移転案―東海・南海・東南海地震発生のリスク

2011年04月14日 15時37分13秒 | 日本経済
緊急提言5:工場を西に、サービスを東に――産業再配置による電力制約の緩和策【野口悠紀雄コラム】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 福島第一原子力発電所の事故は、首都圏を含む関東地方一帯に、深刻な電力不足をもたらしました。その解決策として、工業を西日本に移転し、サービス業を東日本に集中させてはどうか、という提言があるようです。

 電力不足問題の解消策として、一定の効果は期待できそうなのですが、西日本移転にもリスクはあります。それは、近い将来、西日本にも、東海、南海、東南海地震、あるいは、直下型の大規模な災害が発生する可能性が極めて高いことです。電力対策として、西日本に製造拠点を移しても、再度被災しては、せっかくの投資が無駄になってしまいます。しかも、西日本に製造業が集中している状況で、大規模地震が発生しますと、我が国の製造業は、一度に停止か、壊滅状態に陥ります。東日本大震災では、西日本の工場での生産量を増やすことで、経済活動を何とか持ちこたえることができましたが、西日本に集中させた後には、この代替機能も働かなくなります。

 今後、1000年ほどはM9級の大地震が襲来しないとしますと、確率論からしますと、東北地方の方が安全ということにもなります。日本列島は、どこであっても地震リスクから逃れられないとしますと、リスクは分散させる方法も一案であると思うのです。

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コメント (9)
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