万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国に対する黄砂対策費を原発対策費へ

2011年04月10日 15時49分32秒 | 日本政治
中国の日本食品禁輸措置、12都県に拡大(読売新聞) - goo ニュース
 中国は、福島第一原発の事故について、ことの他、神経を尖らせているようです。昨日の報道によりますと、放射能汚染に関連して、”中国は、これまで以上の行動をとる権利がある”といった強硬発言もあったそうです。

 大震災の発生によって、我が国は、深刻な放射能汚染の問題に直面することになりました。放射能汚染対策の緊急性を考えますと、中国の黄砂対策として鳩山前首相が約束したという協力資金は、国内の原発対策に振り向けるべきではないかと思うのです。2010年5月に、鳩山前首相は、「鳩山イニシャチブ」として1兆7500億円という巨額の拠出を表明し、黄砂対策もまた、この一環として位置付けられています。中国自身が、福島原発からの放射性物質の飛来に警戒しておりますし、世界第2位の経済大国に成長したのですから、中国政府も、この日本国政府の申し入れを承諾するはずです。

 国際社会では、大気、水質に拘わらず、環境汚染は、基本的には汚染国の責任で処理すべきとされています。黄砂もまた、有害物質や放射性物質を含んでいるとされているのですから、相互に、環境汚染に対する第一義的な責任を持つべきなのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする