【トランプ次期大統領】トランプ氏が11日にニューヨークで記者会見 大統領選後初めて 前回は延期
アメリカ大統領選挙を通して、ドナルド・トランプ氏は、一貫して”アメリカ・ファースト”を訴えてきました。このスローガンの主たる標的となったのは中国であり、対中貿易赤字や深刻な失業問題、並びに、南シナ海での中国の傍若無人な振る舞いを背景に、就任後は、中国に対して厳しい政策を採るものと予測されています。
しかしながらその一方で、軍事評論家の田岡俊二氏が主張するように”アメリカは中国に喧嘩を売れない”とする意見も見受けられます。その理由は、(1)世界最大の銀行、中国工商銀行の米国本部はトランプタワーの20階にある、(2)中国は3兆ドル(約350兆円)の外貨準備の大半をウォール街で運用し、米国の金融・証券業界の最大の海外顧客、(3)彼の事業も中国系資本の融資、投資を受けていると伝えられる。中国との決定的対立は避けざるを得まい、というものです。
(1)と(3)については、トランプ氏には、個人的なビジネスにおいて繋がりがあることから、米中衝突を避けるであろうという憶測です。しかしながら、氏の見解は、トランプ氏の立場が、国家の利益よりも個人の利益を優先させる”トランプ・ファースト”でなければ説得力がありません。ところが、大統領選挙に当選すると早々に、トランプ氏は、「国を治めることへ全面的に集中するため 、偉大な事業から完全に離れる」と語り、自らは事業から手を引く方針を宣言しています。言い換えますと、あくまでも”アメリカ・ファースト”の姿勢を貫き、利益相反の回避に動いているのです。この方針からしますと、大統領就任後にトランプ氏が、自らの事業への悪影響を理由として、大統領選挙中に示した方針を撤回するとは思えません。
(2)についても、昨今の中国の外貨準備の減少は外資の撤退とも連動していると推測され、米国の金融や証券業界が、既に中国経済に見切りをつけている可能性も否定はできません。また、相次いで中国資本によるM&Aが阻止されたことから、チャイナ・マネーに対しては、たとえ対米投資ではあっても必ずしも歓迎一色ではないようです。
何れにしましても、”アメリカ・ファースト”と”トランプ・ファースト”とは違うのですから、米中衝突はあり得ないとする見解には疑問があります。楽観的な見通しに惑わされることなく、米中衝突の事態に備えるのが、日本国、並びに、全ての諸国の政府の務めであると思うのです。
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アメリカ大統領選挙を通して、ドナルド・トランプ氏は、一貫して”アメリカ・ファースト”を訴えてきました。このスローガンの主たる標的となったのは中国であり、対中貿易赤字や深刻な失業問題、並びに、南シナ海での中国の傍若無人な振る舞いを背景に、就任後は、中国に対して厳しい政策を採るものと予測されています。
しかしながらその一方で、軍事評論家の田岡俊二氏が主張するように”アメリカは中国に喧嘩を売れない”とする意見も見受けられます。その理由は、(1)世界最大の銀行、中国工商銀行の米国本部はトランプタワーの20階にある、(2)中国は3兆ドル(約350兆円)の外貨準備の大半をウォール街で運用し、米国の金融・証券業界の最大の海外顧客、(3)彼の事業も中国系資本の融資、投資を受けていると伝えられる。中国との決定的対立は避けざるを得まい、というものです。
(1)と(3)については、トランプ氏には、個人的なビジネスにおいて繋がりがあることから、米中衝突を避けるであろうという憶測です。しかしながら、氏の見解は、トランプ氏の立場が、国家の利益よりも個人の利益を優先させる”トランプ・ファースト”でなければ説得力がありません。ところが、大統領選挙に当選すると早々に、トランプ氏は、「国を治めることへ全面的に集中するため 、偉大な事業から完全に離れる」と語り、自らは事業から手を引く方針を宣言しています。言い換えますと、あくまでも”アメリカ・ファースト”の姿勢を貫き、利益相反の回避に動いているのです。この方針からしますと、大統領就任後にトランプ氏が、自らの事業への悪影響を理由として、大統領選挙中に示した方針を撤回するとは思えません。
(2)についても、昨今の中国の外貨準備の減少は外資の撤退とも連動していると推測され、米国の金融や証券業界が、既に中国経済に見切りをつけている可能性も否定はできません。また、相次いで中国資本によるM&Aが阻止されたことから、チャイナ・マネーに対しては、たとえ対米投資ではあっても必ずしも歓迎一色ではないようです。
何れにしましても、”アメリカ・ファースト”と”トランプ・ファースト”とは違うのですから、米中衝突はあり得ないとする見解には疑問があります。楽観的な見通しに惑わされることなく、米中衝突の事態に備えるのが、日本国、並びに、全ての諸国の政府の務めであると思うのです。
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