安倍首相、2国間交渉排除せず=日米同盟の利益、双方享受―衆院予算委
アメリカのトランプ政権がTPPから正式に離脱したことから、日米二国間交渉論が俄かに現実味を帯びてまいりました。80年代の日米交渉では、日本側が一方的に譲歩することで一先ずは収まりましたが、今般の第二次日米交渉も、前回と同様のプロセスを辿るのでしょうか。
中国の経済的台頭を受けて、国際経済における日本国のプレゼンスは相対的には低下しており、アメリカに対する発言力も80年代と比較して決して強まったとは言えない状況にあります。その一方で、対中警戒感と産業の空洞化等は両国共通の問題でもあり、第二次日米交渉は、この意味において両国が協力する分野も残されています。第一次日米交渉では、日本側が内需拡大に舵を切る契機となりましたが、第二次日米交渉では、アメリカの内需拡大策もテーマとなる可能性がないわけではありません。
例えば、農産物分野では、アメリカは、さらなる穀物や牛肉等の輸出を日本国側に求めてくると予測されます。しかしながら、案外、日本国の農業問題とは逆の意味で、アメリカも農業改革を必要としています。今日のアメリカの農業は、輸出競争力を維持する上でも大規模経営が主流となっています。しかしながら、”真の食の豊かさ”とは、食の安全、国民の食生活の質的向上、国民の健康の維持・増進…を意味するとしますと、現在の大量生産型の農地の使用方法では、この目的からは遠ざかるばかりです。今や、大量生産されたジャンク・フードやTVディナーが、アメリカの代表的な食事となっているのですから。そこで、農作物の不可価値を高め、多品種化や特産品の開発を図ると共に、農地の使用を農業に限定せず、医薬品、エネルギー、観光…といった分野にも広げ、多目的化を目指せば、幅広い分野での雇用拡大が見込めます。また将来的には、アメリカでは地下水の枯渇も懸念されており、アメリカ農業の高レベル化は、持続的農業の実現にも繋がります。この点、日本国には、小規模農家での収益性を確保できる”村おこし”の実績があり、アメリカにノウハウを提供することができます。
工業分野でも、安価な中国製品の流入が抑制されれば、日常品を生産していた中小企業も復活し、アメリカ産業の多様性はさらに増すことでしょう。保護主義に対する批判者は、輸入の減少に伴う国内生産への代替を考慮しておらず、内需拡大による雇用創出の側面をプラス効果として計算していません。価格上昇による消費者の不利益も指摘されていますが、消費者も就業者である限り、失業の方が、物価上昇以上に死活的なリスクなはずです。
トランプ政権では、共和党を中心として米国製品の輸出拡大を目指す方針が示されていますが、輸出拡大ばかりが繁栄の手段ではありなせん。第一次日米交渉が、通商摩擦を回避する方策として内需拡大策を残したとしますと、その知恵は、今日、アメリカにおいても生かすことができるはずです。第二次日米交渉が、両国が角を突き合わすのではなく、協調的な経済関係を構築することができれは、国際経済は、新たな展開を見せるかもしれないと期待するのです。
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アメリカのトランプ政権がTPPから正式に離脱したことから、日米二国間交渉論が俄かに現実味を帯びてまいりました。80年代の日米交渉では、日本側が一方的に譲歩することで一先ずは収まりましたが、今般の第二次日米交渉も、前回と同様のプロセスを辿るのでしょうか。
中国の経済的台頭を受けて、国際経済における日本国のプレゼンスは相対的には低下しており、アメリカに対する発言力も80年代と比較して決して強まったとは言えない状況にあります。その一方で、対中警戒感と産業の空洞化等は両国共通の問題でもあり、第二次日米交渉は、この意味において両国が協力する分野も残されています。第一次日米交渉では、日本側が内需拡大に舵を切る契機となりましたが、第二次日米交渉では、アメリカの内需拡大策もテーマとなる可能性がないわけではありません。
例えば、農産物分野では、アメリカは、さらなる穀物や牛肉等の輸出を日本国側に求めてくると予測されます。しかしながら、案外、日本国の農業問題とは逆の意味で、アメリカも農業改革を必要としています。今日のアメリカの農業は、輸出競争力を維持する上でも大規模経営が主流となっています。しかしながら、”真の食の豊かさ”とは、食の安全、国民の食生活の質的向上、国民の健康の維持・増進…を意味するとしますと、現在の大量生産型の農地の使用方法では、この目的からは遠ざかるばかりです。今や、大量生産されたジャンク・フードやTVディナーが、アメリカの代表的な食事となっているのですから。そこで、農作物の不可価値を高め、多品種化や特産品の開発を図ると共に、農地の使用を農業に限定せず、医薬品、エネルギー、観光…といった分野にも広げ、多目的化を目指せば、幅広い分野での雇用拡大が見込めます。また将来的には、アメリカでは地下水の枯渇も懸念されており、アメリカ農業の高レベル化は、持続的農業の実現にも繋がります。この点、日本国には、小規模農家での収益性を確保できる”村おこし”の実績があり、アメリカにノウハウを提供することができます。
工業分野でも、安価な中国製品の流入が抑制されれば、日常品を生産していた中小企業も復活し、アメリカ産業の多様性はさらに増すことでしょう。保護主義に対する批判者は、輸入の減少に伴う国内生産への代替を考慮しておらず、内需拡大による雇用創出の側面をプラス効果として計算していません。価格上昇による消費者の不利益も指摘されていますが、消費者も就業者である限り、失業の方が、物価上昇以上に死活的なリスクなはずです。
トランプ政権では、共和党を中心として米国製品の輸出拡大を目指す方針が示されていますが、輸出拡大ばかりが繁栄の手段ではありなせん。第一次日米交渉が、通商摩擦を回避する方策として内需拡大策を残したとしますと、その知恵は、今日、アメリカにおいても生かすことができるはずです。第二次日米交渉が、両国が角を突き合わすのではなく、協調的な経済関係を構築することができれは、国際経済は、新たな展開を見せるかもしれないと期待するのです。
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