万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

東宮家と北朝鮮ー懸念される二重外交

2017年04月17日 14時50分29秒 | 日本政治
退位特例法案、5月19日に閣議決定へ
 本日の日経新聞のダイジェスト欄に、奇妙な記事が掲載されているのを発見しました。マレーシアの国営ベルナマ通信が伝えた記事であり、クアラルンプール発です。

 その記事の内容とは、、”ナジブ首相が暗殺された北朝鮮の金正男の遺体返還と引き換えに、マレーシアが、出国禁止とされたマレーシア人9人を帰国させた交渉を、日本側が称賛した”というものなのです。しかしながら、日本国政府は、これまで、金正男氏の指紋をマレーシア政府に提供しこそすれ、この交渉について称賛するような声明を公表してはいなかったはずです。実際に、外務省のホームページにも、この一件については情報がありません。ここ数日の間に岸田外務大臣が会談した東南アジア諸国の要人は、スシ・インドネシア海洋水産大臣、並びに、ズン・ベトナム計画投資大臣のみです。当交渉は、北朝鮮がマレーシア人9名を人質に取るという前近代的な手法に訴えた上での交渉であり、”人質作戦”が成功した悪しき事例です。日本国のマスコミでさえ、この交渉を手放しに評価した論調は殆ど皆無でした。日本国民の多くも、北朝鮮の狡猾、かつ、手荒な手法には眉を顰めたことでしょう。

 記事では、”日本側”と表現されていましたが、それでは、一体、誰がマレーシアと北朝鮮の交渉を称賛したのでしょうか。そこで、最も可能性の高い発言の主を推測してみますと、日本国の皇太子である可能性が浮上してきます。何故ならば、現在、皇太子はマレーシアを訪問しており、ムハマド国王のみならず、ナジブ首相とも会談の場を設けているからです。

 万が一にも皇太子が称賛の言葉を伝えたとしますと、この一件は、極めて深刻な問題を日本国民に投げかけることとなります。それは、東宮家が北朝鮮のシンパであり、しかも、外交上の活動にまで踏み込もうとしている問題です。東宮家については、姻族を介しての北朝鮮との繋がりが指摘されており、即位後には、”象徴天皇”としての役割から逸脱し、憲法違反でありながら”皇室外交”を行う可能性も否定はできません。しかも、”皇室外交”によって生じる日本国の二重外交は、日本国と北朝鮮という信じがたい二重構造となるかもしれないのです。東宮側は、”国民の共感”の一言で憲法を越える前例を造っておけば、憲法の壁など怖くないと考えているのかもしれません。

 現状では、皇太子即位の日は2、3年後に迫っていますが、東宮家と北朝鮮との関係については、国家存亡の危機ともなりかねないのですから、隠蔽してきた情報を全て国民に開示すべきです。特例法案の国会での成立に際しは全会一致を目指すともされ、一切の反対を許さないこの採択方針にも、北朝鮮の体質が見え隠れするのです。

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コメント (15)
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