万国博覧会は曲がり角か

上海万博、開幕式に首脳約２０人　巨大市場に世界が注視(朝日新聞) - goo ニュース
　中国政府は、北京オリンピックと同様に、上海で万国博覧会を国威高揚の絶好の機会としたいようです。しかしながら、１９世紀に始まったこの祭典、２１世紀を迎え、曲がり角にきているようにも思うのです。

　以前と比較して、比較的自由に海外旅行をしたり、海外の情報に触れるチャンスがあるとはいえ、当局の統制を受けている１３億の中国国民にとりましては、諸外国の伝統的な文物や先端技術に直に接することができる万国博覧会は、数少ない貴重な機会なのかもしれません。しかしながら、パビリオンの展示がその国の全てではありませんし、特定のイメージや一面だけが切り取られて強調されますと、むしろ、誤解を与えることにもなります。情報化社会が到来し、テレビやインターネットを通して映像が即時に伝わり、海外旅行も一般化した時代には、万国博覧会の意義は、低下してきているのではないかと思うのです。

　しかも、中国のように、万国博覧会を政治利用するとなりますと、参加国もまた身構えてしまいます。万博への参加や参加国政府の熱の入れ方が、開催国との距離をはかる政治的な尺度とも見なされかねないからです。これでは、今後の開催国は、気が重くなるはずです。万国博覧会を続けるにせよ、政治性をできる限り排除する工夫が必要なのではないでしょうか。

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