リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

オネーギンは遅すぎた男

2016年04月16日 | 日々の風の吹くまま
雲が広がっているけど、雨の気配はなし。朝食が済んだら、まずは恒例の掃除。掃き掃除
をした後で、新しいフローリングの部分を、専用のクリーナーをスプレーしながら湿らせたス
ポンジでごしごし。その後でモップで全体を力まかせに磨いたら、心なしか光沢の違いがそ
れほど目立たなくなった。掃除が終わる頃には額に大汗。最終日の冬のマーケットでカレー、
しょうが、トリュフの3種類の塩とお気に入りのブリオシュパンを買って来て、慌しくランチの
したく。今日は忙しい日・・・。

今日はミュージカル『Onegin』の見納めにひとりでおでかけ。オリンピックヴィレッジの新劇
場は足の便が良すぎて開演の30分前に着いてしまった。ドアが開くのを待つ間、ロビーで
コーヒーを飲みながらピープルウォッチング。年配の女性の2人連れ、3人連れが多いかな。
カップルもけっこういる。芝居の開演を待つのはいつも胸がワクワクするひととき。ワタシの
席は2列目のど真ん中。ミュージシャンとキャストが登場して、客席と即興のやり取りをしな
がら、始まり、始まり。さっそく全員で歌う「天にまします親愛なる父よ、どうか私たちを退屈
から解放してください」の繰り返されるメロディが頭の中に録音されてしまう。

土曜日の午後なのに満員御礼で、パフォーマンスもオープニングナイトと比べると格段にパ
ワーアップした感じ。終盤のオネーギンがタチアナに迫り、タチアナが拒絶する場面では隣
の若い女性がしきりに涙を拭っていた。(ワタシも目がうるうる・・・。)何しろなじみの薄いロ
シア文学がベースのまったくの新作とあって、当初はチケットの売れ行きが芳しくしなかった
けど、新聞に絶賛されたら一気に連日売り切れ。ブロードウェイのプロデューサーが何人か
わざわざニューヨークから観に来ていたという話もあるくらいの大ヒット。パトロンとしてのワ
タシの思い入れは別にしても絶賛に値する秀作だと思う。ライトが消えた瞬間に客席は歓
声を上げて総立ち・・・。

それにしてもオネーギンってほんっとに身勝手な男だな。恋に燃えているタチアナを「オレは
結婚するタイプじゃない」と拒絶して、「キミはおぼこすぎるから気をつけなよ」なんて説教ま
でしておきながら、公爵夫人になっていたタチアナに再会してまだ愛してくれていると知った
とたんにタチアナの気持も考えずに「愛してる、愛してる」の猛アタック。どこまで身勝手なん
だか・・・おせぇよ、もう。