リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

国民がそう言ってるんだから

2016年06月23日 | 日々の風の吹くまま
雨。6月の終わりとしては低温。土曜日あたりから回復するらしいけど、朝のテレビもラジオ
も交通情報は事故続出でどこも渋滞、渋滞、渋滞。雨が降るといつもこんな感じだな。通勤
する人には悪いけど、ああ、勤めてなくて良かったと思ってしまうな。もっともワタシが最後
に「通勤」したのは1990年1月30日で、あの頃は今よりは交通量も渋滞も少なかったよう
な気がするけど、あれからメトロバンクーバーの人口は100万人近く増えたからなあ。

今日はイギリスでEUから離脱するかどうかを決める国民投票。開票結果は離脱の方向へ
動いているけど、「ロンドン対地方」の様相も見えるし、どっちが勝っても国民の間に溝が残
るだろうな。ワタシがイギリス国民だったら離脱に一票を投じたと思う。EUの中枢が統合を
急ぐあまり本来の経済連合から離れて、域内の歴史的な多様性や複雑さを無視して高飛
車な社会的統一に乗り出したことに抵抗があるから。常々EUは拡大を急ぎ過ぎていると
思っていたけど、文化や国民性が異なる民族や国家の融合には100年も200年もかかる
もので、武力に訴えずに半世紀やそこらで実現できるもんじゃない。

アメリカのトランプ現象もそうだけど、何となく先進国の間に反インテリ、反エリートの潮流が
うねって来ている感じがしないでもない。活動家や政治家のようなエリートインテリが掲げる
理想は確かに高貴なものだけど、ワタシには自己達成のために自分が生きている間に実
現しなければとばかりに、異見や反論や疑問をいわゆる言葉狩りやSNSでの吊るし上げ
裁判で押さえつけて、もっぱら上から目線で「改革」を急いでいるように見える。自己陶酔に
なったら元も子もないのに。イギリスのEU離脱票にもそういう反インテリ心情が反映され
ているんじゃないのかな。

見方を変えれば政治家や官僚がどれだけ現実離れしてしまっているかが見えたと言えそう
だけど、これからの世界はどうなるのか。これから2年かけて「離婚調停」をやるわけで、い
ろんな混乱が起きて、これまで経済や政治の高みで胡坐をかいていた企業や政治家や投
資家(fool on the hill)はあたふたするだろうな。負けたとはいえ、国の未来を国民投票とい
う直接民主主義による決定に委ねたキャメロンはえらいと思う。アベクンも憲法改正を国民
投票にかけてみたらどうなんだろう。国民の多数がYESと言えば、堂々と改憲できるのに。
ま、NOを突きつけられるとわかってるからやらないだろうけど。