リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

世界史は別れ話の物語

2016年06月24日 | 日々の風の吹くまま
やっと夏っぽくなって来た。イギリスの国民投票から一夜明けて、朝のニュースはどこも賑
やかにpost mortem。失敗や事故の反省会とでもいう意味に使われる表現だけど、本来の
意味は死体を解剖して死因を調べる「検死」。ワタシは結果はやっぱり経済云々よりも何よ
りも西洋世界を牛耳るエリート官僚や政治家やインテリ層への半ば人格否定されてきた大
衆のしっぺ返しだと思う。近頃の選挙は感情だけで決めてるようなもんだし・・・。

イングランドの票で離脱が決まったことで、残留を選んだスコットランドや北アイルランドで
は分離独立の動きが活発化しそう。元々ケルト系のスコットランド人はイングランド人(アン
グロサクソン系)と戦いを繰り返していたのが、スコットランド王ジェームズ六世が血縁で世
継ぎのないエリザベス一世の跡を継いでイングランド王ジェームズ一世になったために
「United Kingdom」(連合王国)として統合されたものだし、北アイルランドはそのスコットラ
ンド人の子孫が主流。離脱派のウェールズも16世紀に併合されるまでイングランドによる
征服と支配を退けて来たケルト系(スコットランド人とは別系統)だから、今は自治州で落ち
着いていても、いずれイングランドと離婚したいと考えても不思議ではないな。

つまり、長い歴史の中では合従連衡、離合集散が普通に繰り返されて来たわけで、EU域
内でも、スペインのカタルーニャやバスク、フランスのブルターニュ(ケルト系)など、独自の
言語や文化を理由に分離独立を求める運動があちこちにある。フランスのアルザス地方は
ドイツとフランスが戦争するたびにドイツ領になったりフランス領になったりして来たし、EU
の本部があるベルギーはオランダ語系とフランス語系が対立していつ分裂するかわからな
い。カナダにもフランス系のケベックの分離独立運動が今でも続いているし、日本にも沖縄
に分離独立を唱える人たちがいるし、短命ながら事実上の共和国があった北海道にも独立
論がある。(ワタシもそうだったんだけど。)

まさに人類の歴史は離合集散の人間関係のような感じだけど、民族も国家も人間の集まり。
聞くところによると、(残留派が多数の)ロンドンでは「英国」からの分離独立を唱える人たち
が現れて、5万人近い署名が集まったそうな。足元でもバンクーバー島を11番目の州とし
てBC州からの分離を唱える「政党」が発足したそうで、ここまで来たらもう何だかなあと思
うけど・・・。