リタイア暮らしは風の吹くまま

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建国記念日に別れ話も何だけど

2016年07月01日 | 日々の風の吹くまま
7月1日。カナダデイ。カナダの「建国記念日」で、今年149周年。数字的には若い国だけど、
ケベックにフランス人が入植したのが17世紀早々で、今のケベックシティが拓かれたのは
1608年、イギリスの(スコットランド人の)ジェームズ1世がニューファウンドランドに植民地
を作ったのが1610年だから、月曜日に独立記念日を祝うお隣のアメリカと並行する歴史を
持っている。

ちなみに最初の植民地であるニューファウンドランドが最後の植民地としてカナダ連邦に加
入したのは第2次大戦後の1949年のこと。バンクーバー島植民地と本土のブリティシュコ
ロンビア植民地を1866年に統合して成立したブリティッシュコロンビア植民地が大陸横断
鉄道の延伸という餌に釣られて連邦に加入して州となったのは1871年。後者は発見され
た金を目当てにアメリカ人が押し寄せてアメリカ領になってしまうのを防ぐ目的でビクトリア
女王が英領植民地として勅許したもので、ニューウェストミンスターは女王が直々に命名し
た首都だった。(勅許状を請願した人たちは女王様に「アメリカ人が通り過ぎた後に残って
いるのはウィスキーの空き瓶と私生児ばかり」とアピールしたらしい。)

首都がバンクーバー島に移った裏には、女王が任命したダグラス総督がニューウェストが
大嫌いでビクトリアにいることが多かったので、市の礎を築いた王立工兵隊の司令官ムー
ディ大佐に市民の人望が集まり、むくれた総督が植民地議会で裏工作をして移転案を可決
させたという話がある。ビクトリアは英国本国から移住して来た人たちが主流で英国人気風
が強かったのに対して、ニューウェストはカナダ東部から大陸を横断してきた「カナダ人」が
主流で実務的な思考を持っていたという背景もあったようで、今でもジョージア海峡を隔て
て心理的な溝があるような感じ。

そのバンクーバー島では、本土からの分離を掲げる政党ができてちょっとだけ話題になっ
た。創設者は元オンタリオ州議会議員で30年前にバンクーバー島に「移住」した人。来年
の総選挙では島内の全選挙区で候補を立てると張り切っているとか。本土側にだって、カ
ナダから分離して、アメリカのワシントン州、オレゴン州と連れ立って「カスケーディア共和国」
を建設しようという人たちがいる。建国記念日に別れ話もなんだけど、何か「じゃ、出て行き
ます」的な、何ともまとまりのないご時世になって来たような・・・。