らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18-5 Vol.2

2011年12月15日 23時49分29秒 | クァルテット
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ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op.18-5

 前回からの続き・・・・。

 1798~1800年にかけて、L.v.ベートーヴェンは6曲からなる弦楽四重奏曲集(当時は出版などの関係で何曲かのセットで作曲されることが多かったようです。)を作曲しました。1770年生まれですので、30歳になる前後の事です。

 L.v.ベートーヴェンがドイツ田舎町ボンからウィーンに上京し、音楽の道を志した1792年はまだ貴族社会の繁栄が存在した時代で、貴族達の文化意識が大変高まっていました。その時、サロンや演奏会などで人気のあった弦楽四重奏というジャンルにはF.J.ハイドンやW.A.モーツァルトのがいて、若きL.v.ベートーヴェンにも名を上げるために、その人気ジャンルに手を出す動機はあったはずです。

 彼は、すぐに弦楽四重奏に手を出すことなく先ずピアノ三重奏曲第1番(Op.1)を作曲します。そして、1794年からヴァイオリン・ヴィオラ・チェロの編成からなる弦楽三重奏曲を立て続けに作曲します。第1番 変ホ長調 Op.3(1794年)、第2番 ト長調 Op.9-1(1798年)、第3番 ニ長調 Op.9-2(1798年)、第4番 ハ短調 Op.9-3(1798年)、弦楽三重奏のためのセレナード ニ長調 Op.8(1797年)です。

 先輩F.J.ハイドンにも弦楽三重奏曲がありましたし、何といってもW.A.モーツァルトの晩年の傑作 K.563をL.v.ベートーヴェンは知らなかったはずはありません。第1番のOp.3は、このK.563と調性や楽章構成まで同じなのです。

 L.v.ベートーヴェンは、5曲~この弦楽三重奏という編成で作曲して、この編成での作曲に行き詰まったか?もしくは、本当に弦楽四重奏曲のための下準備だったのか?想像するしかありませんが、これ以降この弦楽三重奏という編成では作曲していません。

 つづく・・・・・・。
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