らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

耳をすませば・・・・。

2015年01月12日 23時59分59秒 | 音楽
 どんなに人気がある音楽であっても自分が嫌いな音楽であれば、五月蠅く感じます。

 我々の職業だと、好まない音色を平気で出すプレイヤー自身さえ、だんだんと遠ざけてしまう(人間関係も!)傾向にあります。音にはその人の人間性が、隠れることなく表れると言うことなんでしょうね。

 私は、例えば奥さんが家にいなければ、好きな弦楽四重奏の曲をそれこそ1日中、部屋の中に流しています。TVからだったりCDからだったり・・・。

 私だけかもしれませんが、弦楽器奏者は、それほど大きくない音量の楽器で、フレッドがない(音程がとりにくい)ので、それこそ耳をダンボのように拡げて日夜演奏しているのです。自分だけが合っている音程ではなくて、全体の中の音程を瞬間瞬間に見つけているわけです。聴力は消費されますから、例えば大音量の楽器の近くで演奏した場合、自分の音には十分な責任を持つことはまず無理です。車の中で大音量のヘビメタを聞かされた後の耳になり(すみませんヘビメタは私好きなんですけど)、へとへとになって仕事から帰る日もあります。押しつけられるような大音量は、ストレスにもなってしまうのです。

 昨年からよく、おくおおえの柳川温泉に通うようになりました。勿論泉質もロケーション(空気も美味しいし)も良いのですが、私にとって最大の魅力は、まず暗いこと。そして、音がないことなんです。今の時期だと雪景色の中の露天風呂につかっている時間(せいぜい30分位)のあいだ、風の音と水が流れる音、ほんの少し入っている人達の会話くらいしか音がありません。冬の間は露天に入る人も長居しないので、一人でシ~ンとした静寂の中にいれるわけです。

 風呂から上がると、耳と心がリセットされているのです。

 とても大切な時間になっています。
コメント
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