楽器〜特に鍵盤楽器や弦楽器を上手くなるために音階練習をしなければならないという考えは、間違っていないと思います。
ヴィオラで言えば、カールフレッシュや小野アンナの音階教本など小さい頃から先生にやらされた人も多いでしょう。
私は正直申し上げて、音階練習は大嫌いでした。単純作業を永遠と繰り返してやることに興味がわかなかったのです。
音大に行っていた時も「音階試験」なるモノがあって、とても嫌な記憶しかございません。
音階よりもBachなどを練習して音階練習の替わりにしていたくらいです。
コロナ渦でお仕事が一旦無くなった事は、自分の演奏を見つめ直す良いきっかけになりました。
その中で、若い頃あれほど嫌だった音階練習を見直すことにしました。
プロの人でも、音階練習をするときに、必ず練習する調の「ど」の音からしか練習しない人が多くいます。
何も考えずに、C-Dur(ハ長調)ならCの音から、F-Dur(ヘ長調)ならFの音からといった具合です。
音階練習は、実際音楽を奏でるときの練習ですので、より実践的な練習をした方が良いと気づきました。
作曲家が書いた作品は、どのフレーズも必ず「ど」の音から始まるというというわけでは無いのは、誰でも分かりますよね。
例えば、C-Durの作品の中には、Gからはじまるフレーズもあるし、Fから始まる合いの手もあるのは当然のことですから、どの音からもC-Durの音階やアルペジオを弾けた方が良いに決まっています。
なので、色んな調性で音階練習するのですが、色んな音から始まる音階を練習しています。
そうすると調性で凝り固まっていた頭が、今度は「旋法」の感覚も入ってくると言うことが、最近わかり初めて来ています。
てな事を考えて練習していたら、玉木宏樹氏が書いた「革命的音階練習」という音階教本に出会いました。
氏の書いた序文を読んでいるとふむふむ納得できることも多々あって興味深かったです。
いくつになっても新しい発見が有るもんです。