らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

司馬遼太郎「世に棲む日日」

2011年01月02日 23時59分37秒 | 読書
 半年前まで、ほとんど読書をしなかった私が昨年は20冊前後読む事が出来ました。読書というのは習慣化すれば「癖」みたいなものになりますからね。20年位の間、損をしていた気分になります。

 私の父は、昭和10年の生まれですので現在75才。戦争中は愛知県に疎開に行っていたそうです。どちらかというと厳格な父で教育に関しては厳しかったような気がします。色々と子供の頃からお小言を言われましたが、よく言われた事の中で「読書をしなさい!」というのがありました。歴史小説が好きな父は毎晩床につく前に読書する習慣を持っています。何故歴史小説家というと、父曰く~人生は限られていて一回こっきりなのだから、歴史上の人物の人生を本の中で体験して、人生を何倍にも感じる事が大切だとよく言われていました。今は年に1回山形響のさくらんぼコンサートの時だけ話す感じなので、お小言は言われなくなりました。笑。

 そんな父の刷り込みなのか、私は歴史小説を好みます。

 さて司馬遼太郎「世に棲む日日」ですが、吉田松陰~高杉晋作と幕末長州藩を生きた二人の男の話です。どちらの男も歴史上では(少なくても小説の題材として)時代転換の最初期から終わりまでに生をうけていたのではないですから、例えば坂本龍馬や西郷隆盛などを扱った小説の脇役として登場してくる事が多いです。

 しかし、幕末の長州藩の動きにとっては彼らが長州藩内の人々に与えた影響は計り知れなく、実は幕末の隠れた主人公と言っても良いでしょう。

 「世に棲む日日」を速く読む事が出来た理由があります。吉田松陰はともかく高杉晋作という人物の思考回路が(小説内で表現された)、意外と私の思考回路とダブル処があって、感情移入出来た事に寄ります。もちろん感じ方や素行など違う処も沢山あります。歴史小説を読んでいて、自分に似てると思った事は初めてだったので、特に面白かったのでした。

 年末年始休み中にもう一物語読んでおきたいと思っています。

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