昨日の続き。
バルトロメオ・カンパニョーリ(Bartolommeo Campagnoli 1751~1827)の41のカプリース Op.22(無伴奏ヴィオラのための)を再び自分の課題として取り上げようと思った理由は、いくつかあります。
まず、学生の時に何の資料も無しに、音を並べる事だけに必死になって練習しっぱなしになっていた事。
CD等の音源が何も無かったので、Allegroと書かれていてもどれくらいのテンポで演奏して良いか分からなかったので、当時の自分の技術で弾けそうなテンポで練習して先生の所へ毎回持って行き、先生の助言無しにはどういう曲か良くわからないまま、音が並んでいるので次!くらいのマッハなレッスンを受けていました。なぁんとなく消化不良のまま練習しましたという記憶だけだったので、自粛生活中に塗り直してみたくなったからです。
そこで今回は、昔あった雑誌「ストリング」(今更ながら超良い雑誌でした)に荻野直美さんが連載していた「ヴィオラの醍醐味」の記事の中で、2007年3月号〜2010年7号までこの41のカプリース Op.22のほぼ全曲解説(誌上レッスン)があったので、その記事を読みながら練習を進めました。彼女が書いていることに頷きながら、課題をクリアして行くのが楽しくて毎日過ごしました。昔、読まなくても毎月買っておいて今になって役に立つとは・・・吃驚です。
そして、YouTubeにKristina Gilesさんという女性ヴィオラ奏者が、41曲全曲を目指して収録した映像があったので、大いに参考にしました。(もう少しで全曲です)。学生の時は先生(先生は全部通して演奏はしてくれない)か、もしくはレッスン前後の学生の演奏しか聴いたことが無かったので、ちゃんと通した曲の感じを掴むのに大いに役に立ちました。楽譜をよく読みんだ上での自分の解釈と違う所はもちろん大いにありますが、これからこの41のカプリース Op.22を練習し始める学生さん達には大いに参考になるかもしれません。
41のカプリース Op.22は、何度も練習しなおして、身につけるべきテクニックと音楽性に優れた曲集だと今回あらためて思いました。今後も弾き続けるかもしれないし(これを練習する自分の生徒がいればもっと自分にも跳ね返ってくるのに・・・なんて)、他のエチュードに進みつつ、思いだしたようにまた演奏しようと思いました。(特に重音が多く用いられている曲)。
今回、一番の成果は、色々なボウイングテクニックを確認できたこと、そして、左手の一本ずつの指の独立が進んだことです。学生の頃はあまり力を入れていなかった和声的解釈の勉強にもなりました。
終わり。