Bobby Jaspar という人は、あまり評価が定まっていない人です。
少なくとも、Bobby Jaspar が大好き、という人にはあまりお目にかかったことはありません。
名盤ガイド本に紹介されるような有名なレコードがまずないし、一部のマニアがそのレコードの稀少性からちょっと興味がある、という程度なんじゃ
ないでしょうか。 でも、だからと言ってコレクターたちがそんなに騒いでいるか、というとそういうわけでもない。
年上にも関わらず、Stan Getz のフォロワーという位置づけのようですが、これも不幸の一因。 Ruud Brink や Spike Robnson も Zoot のフォロワー
と言われてしまって、実力の割に評価のほうはあまりパッとしません。 このフォロワーという言い方は止めるべきです。
器用貧乏というか、性格もよくてそこそこやるもんだからセッションにはよく呼ばれたりする。 だから名前も割とよく見かけることになって、
幻の人というわけでもありません。 これではマニア心をくすぐりません。
何と言うか、薄幸な人、としか言いようがない感じです。


Bobby Jaspar Plays... Gone With The Winds ( 仏 Swing M.33.351 )
彼は、1953年から1955年にかけて仏VogueやBarclayに複数の録音を集中的に行っています。
Vogueのセッションでは Henri Renaud、Jimmy Raney、Andre Audair、Don Rendell、Barney Wilen、Dave Amram、
Barclayのセッションでは Chet Baker らとの共演という形です。
上記のレコードはその中の1枚で、Dave Amramらとの八重奏団としての4曲、Sacha Distelらとのワン・ホーン・カルテットでの4曲が収録されています。
Amramらとのセッションというのがfrh、fl、ob、bassonというクラシック室内楽の編成で、こんなのヨーロッパ人にしか思いつかない発想だよなあ、
鬱陶しいなあ、と当然ワン・ホーンの4曲目当てで買ったわけですが、聴いてみると八重奏団のほうが意外といい演奏です。 逆にワン・ホーンのほうは、
Distelらギター・トリオの軽薄なバッキングが耳障りで、せっかくのスタンダード曲の良さが台無しになっている感じです。
選曲がThere's A Small Hotelなどの Getzが好んだ曲が多く(明らかに意識している)、どうしても比較してしまいます。 Jasparの音色は
Getzよりも太くて大らかですが、ボワッとした感じのぼやけた音で、あまり魅力的には聴こえません。 それに吹くフレーズにもGetzのような
印象に残るような旋律がまったくない。


Bobby Jaspar Modern Jazz Au Club Saint Germain ( 仏 Barclay 84.023 )
こちらは、Rene Urtregerのピアノ・トリオに再度Distelを加えたワン・ホーン・クインテット。
若死にした Dick Twardzik の想い出に捧げた、Jaspar本人が作曲した Memory Of Dick というバラードが聴きたくて買いました。
Distelが抜けたピアノ・トリオがバックなので落ち着いた演奏になっているのはよかったのですが、やはり最初のレコードと同じような理由で、
何度聴いてもあまり印象に残らないのです。
どうも、こういうところにこの人の幸薄さの原因があるような気がします。
また、この人はフルートも演奏する訳ですが、そういうところも聴き手に散漫な印象を残すことになるのではないでしょうか。 まあ、いずれにせよ、
もうこれ以上この人のレコードを買うことはないと思います。 一番魅力的なフォーマットであるはずのワン・ホーンがこういう感じなので、
これ以上の魅力は期待できないからです。
Swingレーベルには他にも10inch盤が何枚かあって、Ron Rendellとのセッションを入れた Rencontre a Paris も持っていたのですが、こちらはさっさと
売却しました。 とにかく、内容がものすごく退屈だったからです。 こんなつまらない曲と演奏ばかりを収録したレコード、ちょっと他に思いつきません。
ジャケットの良さに惹かれてつい買ってしまったのですが、失敗でした。 それに盤面無傷だったにも関わらず音質もプアで、とにかく一生懸命
いいところを探したのですが、ダメでした。
それに比べて、上記の10inchは同じ時期の録音ですがスタンダード曲が中心だし、理由がよくわかりませんが、なぜが音質がいい。
それにこのジャケットデザイン、とても気に入っています。 Swingレーベルで1番好きなジャケットです。
少なくとも、Bobby Jaspar が大好き、という人にはあまりお目にかかったことはありません。
名盤ガイド本に紹介されるような有名なレコードがまずないし、一部のマニアがそのレコードの稀少性からちょっと興味がある、という程度なんじゃ
ないでしょうか。 でも、だからと言ってコレクターたちがそんなに騒いでいるか、というとそういうわけでもない。
年上にも関わらず、Stan Getz のフォロワーという位置づけのようですが、これも不幸の一因。 Ruud Brink や Spike Robnson も Zoot のフォロワー
と言われてしまって、実力の割に評価のほうはあまりパッとしません。 このフォロワーという言い方は止めるべきです。
器用貧乏というか、性格もよくてそこそこやるもんだからセッションにはよく呼ばれたりする。 だから名前も割とよく見かけることになって、
幻の人というわけでもありません。 これではマニア心をくすぐりません。
何と言うか、薄幸な人、としか言いようがない感じです。


Bobby Jaspar Plays... Gone With The Winds ( 仏 Swing M.33.351 )
彼は、1953年から1955年にかけて仏VogueやBarclayに複数の録音を集中的に行っています。
Vogueのセッションでは Henri Renaud、Jimmy Raney、Andre Audair、Don Rendell、Barney Wilen、Dave Amram、
Barclayのセッションでは Chet Baker らとの共演という形です。
上記のレコードはその中の1枚で、Dave Amramらとの八重奏団としての4曲、Sacha Distelらとのワン・ホーン・カルテットでの4曲が収録されています。
Amramらとのセッションというのがfrh、fl、ob、bassonというクラシック室内楽の編成で、こんなのヨーロッパ人にしか思いつかない発想だよなあ、
鬱陶しいなあ、と当然ワン・ホーンの4曲目当てで買ったわけですが、聴いてみると八重奏団のほうが意外といい演奏です。 逆にワン・ホーンのほうは、
Distelらギター・トリオの軽薄なバッキングが耳障りで、せっかくのスタンダード曲の良さが台無しになっている感じです。
選曲がThere's A Small Hotelなどの Getzが好んだ曲が多く(明らかに意識している)、どうしても比較してしまいます。 Jasparの音色は
Getzよりも太くて大らかですが、ボワッとした感じのぼやけた音で、あまり魅力的には聴こえません。 それに吹くフレーズにもGetzのような
印象に残るような旋律がまったくない。


Bobby Jaspar Modern Jazz Au Club Saint Germain ( 仏 Barclay 84.023 )
こちらは、Rene Urtregerのピアノ・トリオに再度Distelを加えたワン・ホーン・クインテット。
若死にした Dick Twardzik の想い出に捧げた、Jaspar本人が作曲した Memory Of Dick というバラードが聴きたくて買いました。
Distelが抜けたピアノ・トリオがバックなので落ち着いた演奏になっているのはよかったのですが、やはり最初のレコードと同じような理由で、
何度聴いてもあまり印象に残らないのです。
どうも、こういうところにこの人の幸薄さの原因があるような気がします。
また、この人はフルートも演奏する訳ですが、そういうところも聴き手に散漫な印象を残すことになるのではないでしょうか。 まあ、いずれにせよ、
もうこれ以上この人のレコードを買うことはないと思います。 一番魅力的なフォーマットであるはずのワン・ホーンがこういう感じなので、
これ以上の魅力は期待できないからです。
Swingレーベルには他にも10inch盤が何枚かあって、Ron Rendellとのセッションを入れた Rencontre a Paris も持っていたのですが、こちらはさっさと
売却しました。 とにかく、内容がものすごく退屈だったからです。 こんなつまらない曲と演奏ばかりを収録したレコード、ちょっと他に思いつきません。
ジャケットの良さに惹かれてつい買ってしまったのですが、失敗でした。 それに盤面無傷だったにも関わらず音質もプアで、とにかく一生懸命
いいところを探したのですが、ダメでした。
それに比べて、上記の10inchは同じ時期の録音ですがスタンダード曲が中心だし、理由がよくわかりませんが、なぜが音質がいい。
それにこのジャケットデザイン、とても気に入っています。 Swingレーベルで1番好きなジャケットです。