Dennis Budimir / Sprung Free ! ( 米 Revelation REV-8 )
不勉強にて全く知らなかった人だが、安レコ漁りをしているとこういうものにも遭遇する。 ジャケット裏面を何気なく読んでいると、なんとベースに
ゲイリー・ピーコックの名前が (但し、1曲のみの参加だった)。 その後ネットの中を覗き込むと結構いろんな記事にヒットして、これにも驚いた。
この体たらくでは、ギター・ジャズが好きだなんてとても公言できない。
冒頭からいきなりゲイリーのゴツンと重いベースの音が鳴って、素晴らしい演奏の予感が高まる。 それに合わせるかのようにギターも6弦から入り、
全体が低いトーンで始まる。 こういうのはたまらない。
ただ、聴き進めていくと何だかフレーズがたどたどしいことに気付く。 もしかして、この人、下手なの? まさかね、ゲイリー・ピーコックが共演して
いるんだし。 でも、1曲しか弾いてないんだよな、もしかして怒って帰っちゃったのか? この頃は既にアイラーやエヴァンスとも演奏を済ませていた
大物だったからなあ。 それともわざとこういう風に弾いているのかな。 いずれにしても、この1枚だけじゃ何ともわからない。
そういうことを考えながらも、ピアノや管のいないギター・トリオの隙間の多い演奏がとてもいい。 どことなくトリスターノなんかの初期クール派を
連想させるような質感もあって、そういうインテリなところもいい。 ステレオ録音だけど、キリッと締まってひんやりとした空気感もとてもいい。
これはすごく気に入った。 他にもリーダー作があるようなので、出逢いを楽しみに待ちたい。
こういうのがあるから、安レコ漁りは止められない。 まだまだ、楽しい漁盤の日々は続く。