McCoy Tyner / Nights Of Ballads & Blues ( 米 Impulse! A-39 )
インパルスというレーベルは後期コルトレーンの印象があまりに強く、60年代のニュー・ジャズ一辺倒だったようなイメージが拭いきれない。
白人ミュージシャンもごく少数だが採用してそれなりにカタログの内容に幅を持たせようとしてはいるけれど、それらはあまりに非力だった。
コルトレーンとその周辺の音楽があくまでも主軸で、それが当時のシーンの状況だったのかもしれない。
ただ、そんな中でも経営を維持するためにセールスを意識したアルバムも作成している。それらが当時どの程度売れたのかはよくわからないけれど、
それはつまり、先鋭的な音楽はあくまでも先鋭的であって、ついて行ける人たちはさほど多くはなかったということだったのかもしれない。
マッコイもこのアルバムのようにスタンダードで固めたわかりやすいピアノトリオ作を作っていて、これはちょうどコルトレーンの "バラード" と
同じような位置付けになっている。ベースにスティーヴ・デイヴィス、ドラムにレックス・ハンフリーズを充てて、敢えてコルトレーン・カラーが
出ないように配慮しているところがポイントだろう。
マッコイ・タイナーはレッド・ガーランドの影響を隠さなかった唯一のピアニストで、リズムの処理の仕方が全く違うので聴いた時の印象はかなり違う
ものの、ピアノの弾き方はよく似ている。但し、バラードがあまり上手くなかったせいもあってピアノの表情がワンパターンで、アルバム1枚通して
聴くのはいささかしんどい。このアルバムも演奏の出来はいいが、片面聴けばお腹一杯になる。楽曲を作り上げようとするアプローチではないので、
どの曲を聴いても同じような印象で、正直言って各々の違いがよくわからない。達者な演奏で見事だけれど、音楽としての成熟はまだこれからの状態
だったことがよくわかる。
ただ、それでも重苦しいインパルスの中ではホッと一息つける内容で、これはこれでよかっただろうと思う。制作の目的は達成できている。
一連のインパルスのカタログの中で見るとギャップの大きさが激しく、コルトレーンの "バラード" 同様、それが評価を難しくしているんだと思う。
あったマンションの一室に個人営業の貸ソフト屋があってよく利用してました。就職して東京を離れたんですが、3年後に転勤で戻ってきた際、それが秋葉原にビルを何軒も所有する大企業になっていたのは驚きました。その貸ソフト屋の名前は
SOFMAPです。貸ソフト屋からPC販売に転じて大成功したようです。
そうですか、理工だったんですね。私が学生だった時にはまだPCは無かったと思います(が、文系なのであまり自身ないです・・・)
レコードギャラリーは他の廃盤店に比べるとさほど足繁く通った訳ではなかったのですが、印象深いお店でした。
ちょっと場所柄が寂しいところで、商品の回転もさほど早くもなかったような印象で、そのせいかもしれません。
ただ、閉店になった時は寂しかったですね。
値段は良心的でした。西新宿のコレクターズのようなぼったくり感はなかったです(笑)
SOFMAP、そうだったんですね。ちょうど右肩上がりの時代に上手く乗ったんですね。