Milt Jackson Quartet / Statements ( 米 Impulse! A-14-S )
ヴァン・ゲルダーのステレオ録音の美しさを実感できる1枚。このアルバムはステレオプレスで聴くべき。
ヴィブラフォンのシリンダーが響く音色が涼やかで何とも美しい。きらきらと輝きながら宙を舞う様が見える。
バックはハンク・ジョーンズ、ポール・チェンバース、コニー・ケイだが、この3つの楽器の音も見事に捉えられている。
コニー・ケイのショット1つ1つが広い空間の中に響き、そこが奥行きのある空間であることがよくわかるし、チェンバースのベースの
質感も実にリアルに録られている。インパルスのステレオ録音は非常にいい。
手垢の付いたスタンダードを入れず、自作やジャズメンのオリジナル曲で固めたところもいい。ムードに流さたイージーな雰囲気にならず、
質感の高い硬派な内容になっている。ミルト・ジャクソンはそれらをハードに演奏することなく、あくまでも優雅にゆったりと膨らませる。
こういう独特の雰囲気はこの人にしか作り出せないだろう。
どのレーベルからも引っ張りだこだった人だが、このレーベルのアルバムは録音の良さから頭一つ抜きんでている。