廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

ステレオプレスで聴くべき盤

2021年07月24日 | Jazz LP (Impuise!)

Milt Jackson Quartet / Statements  ( 米 Impulse! A-14-S )


ヴァン・ゲルダーのステレオ録音の美しさを実感できる1枚。このアルバムはステレオプレスで聴くべき。
ヴィブラフォンのシリンダーが響く音色が涼やかで何とも美しい。きらきらと輝きながら宙を舞う様が見える。

バックはハンク・ジョーンズ、ポール・チェンバース、コニー・ケイだが、この3つの楽器の音も見事に捉えられている。
コニー・ケイのショット1つ1つが広い空間の中に響き、そこが奥行きのある空間であることがよくわかるし、チェンバースのベースの
質感も実にリアルに録られている。インパルスのステレオ録音は非常にいい。

手垢の付いたスタンダードを入れず、自作やジャズメンのオリジナル曲で固めたところもいい。ムードに流さたイージーな雰囲気にならず、
質感の高い硬派な内容になっている。ミルト・ジャクソンはそれらをハードに演奏することなく、あくまでも優雅にゆったりと膨らませる。
こういう独特の雰囲気はこの人にしか作り出せないだろう。

どのレーベルからも引っ張りだこだった人だが、このレーベルのアルバムは録音の良さから頭一つ抜きんでている。



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