廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

コンディションと値段と残り時間

2017年08月12日 | Jazz LP (Verve)

Wes Montgomery / Smokin' At The Half Note  ( 米 Verve V-8633 )


最近猟盤している中で気が付くことがある。 それは、レアではないよく出回るレコードに関しては、どうやら値付けに際しては盤質よりもジャケットの状態が
重視されているんじゃないか、ということだ。

ジャケットの顔が汚れていると、盤がどれだけきれいであっても高い値段が付いていないものが多い。 逆に盤に傷があっても、ジャケットの顔がきれいだと
変に高い値段が付いたりしている。 なんでこのレコードがこんなに高いの?と驚きながらよく見てみると、ジャケットが物凄くきれいだからだということが
わかったりする。

盤とジャケットの両方がきれいなのが一番いいに決まっているけれど、現実問題としては両方が満足できる状態のものは少ない。 気長に待てばいつかそのうちに
きれいなものに出会うかもしれないけれど、だんだん残り時間が少なくなってきている身としてはあまり悠長に構えていられなくなってきた。 私の場合は
コレクションのために買っているわけではないので、身体が健康なうちにできるだけたくさん聴いておきたいから、どこかで線を引く必要があるのだ。

ウェスのこのレコードはRVGのカッティングなのでステレオよりはモノラルのほうがいいだろうと思ってモノラル盤を探していたけれど、ありふれたレコード
なのにもかかわらずモノラルの弾数がやたらと少なく、且つジャケットのきれいなものが全然見つからない。 何度か見送っているうちに、気が付くと年単位で
時間が過ぎてしまっている。 さすがにこれはまずい、ということで今週見かけたものを拾ってきた。 盤面は無傷できれいなのだが、ジャケットの顔が
擦れていてお世辞にもいい状態とは言えない。 でも、これでも今まで見てきた中では一番マシだったし、値段も安かった。

私はレコードを買う際、見た目の傷よりもノイズの出方を重視する。 ノイズには全然気にならない種類のノイズと、絶対に我慢できない種類のノイズの
2種類がある。 だから、どんなにレアでジャケットがきれいでも、後者のノイズがあるレコードは買わないし、試聴で把握しきれなかった盤を買ってしまったら、
さっさと処分する。 だから、最近の値段の傾向は私にとっては有難い。

昔はDUに出回るような盤はコレクターが状態の悪いものを処分したものだからきれいなものがない、というのが暗黙の了解だったところがあったけれど、
最近はまったくそんなことはなくなっていて、盤質に問題ないものがたくさん流通している。 おまけに大半のものは値段が大幅に下がっているので、
ずいぶん買いやすくなった。 若い女の子が1人でレコードを掘っている姿も今じゃ珍しくなくなっているし、中古市場はよくなっているんじゃないだろうか。


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