女性にできない職業の1つとして、交響曲の作曲家が昔からよく取り上げられます。 明確な根拠があるわけではないけど、歴史上に名を残した
交響曲を書いた作曲家に女性が1人もいないのは事実です。 長編小説をたくさん書いたり、世界中を飛び回りながらモーツァルトのピアノソナタの
全曲録音を2度やったり、という人はいるし、最近は名門オケの常任主席指揮者として交響曲を指揮する人もいますが、なぜかオーケストレーションを
屈指する巨大な曲を作る女性はいませんでした。 女性には元々大局的な視点がないからだとか、妊娠・出産・子育て・家事で大きな仕事をする
まとまった時間が取れないからだ、とかひどいことを言う人もいますが、本当のところはよくわからないとされてきました。
ところが。
オーケストレーションを屈指したオリジナルの大曲を書き、既存の有名曲に誰にも真似できないアレンジを施し、自ら指揮をしてしまうすごい女性が
とうとう90年代のアメリカに現れてしまいました。
それが、マリア・シュナイダーです。
ギル・エヴァンスに師事して、彼の晩年の作品のいくつかは実はマリア・シュナイダーが密かにアレンジしたものだと言われています。
そういう理論の勉強や現場での修行をきちんと経て、満を持して自身のオーケストラを立ち上げてデビュー、着実に仕事を重ねてグラミー賞を
受賞するまでになりました。
ビッグ・バンド好きの私にとっては彼女の作品はどれも大切なもので、ずっと大事に聴いてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/fb/685d1fd946b639a46066f6674636e45d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/f8/1a6403bfe5c795c8ca862d8a992ca786.jpg)
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Sky Blue ( artistShare AS0065 )
私が一番好きな作品は現時点ではこれです。 それまでの作品とは違い、タイトル通り、大空に飛翔するかのような解放され自由なムードに
覆われた曲想に圧倒されます。 パット・メセニー的第三世界の楽園の祝祭ムードに溢れた圧巻の曲で幕をあけますが、このCDは全体的に
これまでの作品の中で最もギル・エヴァンスの影響をストレートに表現しており、それが一層自由な飛翔感を際立たせている傑作です。
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Evanescence ( artistShare 0006 )
94年のデビュー作。 ビッグバンドの既成概念に一番イメージが近いサウンドなので、一般的に一番受けがいい作品です。
管楽器の重奏をメインに置いたサウンドがわかりやすく、楽曲も一番コンパクト。 クラーク・ボーラン・オーケストラの尖った所を削って
速度を落としてマイルドにした感じ、とでも言えばイメージが近いかも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d8/0f5ec642a2ae391570a712f454ab5599.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/87/633c7e3325a698e77c1f64996d167edf.jpg)
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Coming About ( artistShare AS0087 )
オーケストレーションやアンサンブルがとても繊細で緻密に織り込まれた完成度のすごく高い作品です。 中盤に大きな組曲を入れているところも
気合いの入り方が違います。 最後に "Waxwing" という名曲で幕を下ろします。 素晴らしい出来です。
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Allegresse ( artistShare 0005 )
重奏を1歩後ろに下がらせて、各演奏家の音を前面に立たせるパートが目立つ作品。 アルバム毎にコンセプトを明確に分けており、
よく考えられています。 この作品から、楽曲の中に幻想性のようなものが現れるようになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/99/f7d641ca8032bdb958938bcc680e88b8.jpg)
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Concert In The Garden ( artistShare 0115 )
グラミー受賞アルバム。 クラシックの交響曲の手法が一番濃厚な作品であまりジャズっぽくはないですが、次作の Sky Blue への伏線が
あちこちに見て取れます。 若い頃のジョディー・フォスターに似た彼女の姿が美しい。
彼女の音楽は分類するとすればコンテンポラリー・ビッグ・バンドなので、聴く側がオープンマインドでなければいけません。
ジャズとはこういうもの、とか、ビッグバンドはスイングしなけりゃ、とか言ってる人はお呼びじゃない。
あなたが自由に音楽を愉しめる人なら、間違いなくお宝になるでしょう。
交響曲を書いた作曲家に女性が1人もいないのは事実です。 長編小説をたくさん書いたり、世界中を飛び回りながらモーツァルトのピアノソナタの
全曲録音を2度やったり、という人はいるし、最近は名門オケの常任主席指揮者として交響曲を指揮する人もいますが、なぜかオーケストレーションを
屈指する巨大な曲を作る女性はいませんでした。 女性には元々大局的な視点がないからだとか、妊娠・出産・子育て・家事で大きな仕事をする
まとまった時間が取れないからだ、とかひどいことを言う人もいますが、本当のところはよくわからないとされてきました。
ところが。
オーケストレーションを屈指したオリジナルの大曲を書き、既存の有名曲に誰にも真似できないアレンジを施し、自ら指揮をしてしまうすごい女性が
とうとう90年代のアメリカに現れてしまいました。
それが、マリア・シュナイダーです。
ギル・エヴァンスに師事して、彼の晩年の作品のいくつかは実はマリア・シュナイダーが密かにアレンジしたものだと言われています。
そういう理論の勉強や現場での修行をきちんと経て、満を持して自身のオーケストラを立ち上げてデビュー、着実に仕事を重ねてグラミー賞を
受賞するまでになりました。
ビッグ・バンド好きの私にとっては彼女の作品はどれも大切なもので、ずっと大事に聴いてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/fb/685d1fd946b639a46066f6674636e45d.jpg)
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■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Sky Blue ( artistShare AS0065 )
私が一番好きな作品は現時点ではこれです。 それまでの作品とは違い、タイトル通り、大空に飛翔するかのような解放され自由なムードに
覆われた曲想に圧倒されます。 パット・メセニー的第三世界の楽園の祝祭ムードに溢れた圧巻の曲で幕をあけますが、このCDは全体的に
これまでの作品の中で最もギル・エヴァンスの影響をストレートに表現しており、それが一層自由な飛翔感を際立たせている傑作です。
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Evanescence ( artistShare 0006 )
94年のデビュー作。 ビッグバンドの既成概念に一番イメージが近いサウンドなので、一般的に一番受けがいい作品です。
管楽器の重奏をメインに置いたサウンドがわかりやすく、楽曲も一番コンパクト。 クラーク・ボーラン・オーケストラの尖った所を削って
速度を落としてマイルドにした感じ、とでも言えばイメージが近いかも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d8/0f5ec642a2ae391570a712f454ab5599.jpg)
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■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Coming About ( artistShare AS0087 )
オーケストレーションやアンサンブルがとても繊細で緻密に織り込まれた完成度のすごく高い作品です。 中盤に大きな組曲を入れているところも
気合いの入り方が違います。 最後に "Waxwing" という名曲で幕を下ろします。 素晴らしい出来です。
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Allegresse ( artistShare 0005 )
重奏を1歩後ろに下がらせて、各演奏家の音を前面に立たせるパートが目立つ作品。 アルバム毎にコンセプトを明確に分けており、
よく考えられています。 この作品から、楽曲の中に幻想性のようなものが現れるようになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/99/f7d641ca8032bdb958938bcc680e88b8.jpg)
■ Maria Schneider Jazz Orchestra / Concert In The Garden ( artistShare 0115 )
グラミー受賞アルバム。 クラシックの交響曲の手法が一番濃厚な作品であまりジャズっぽくはないですが、次作の Sky Blue への伏線が
あちこちに見て取れます。 若い頃のジョディー・フォスターに似た彼女の姿が美しい。
彼女の音楽は分類するとすればコンテンポラリー・ビッグ・バンドなので、聴く側がオープンマインドでなければいけません。
ジャズとはこういうもの、とか、ビッグバンドはスイングしなけりゃ、とか言ってる人はお呼びじゃない。
あなたが自由に音楽を愉しめる人なら、間違いなくお宝になるでしょう。
確かに、ジョディ・フォスターに似ています。
それに、すごく小柄で華奢な感じでもありました。