ここ最近掲載しているのは伐採の危機にある森で撮影した、石垣市の保全種や絶滅危惧種を中心に紹介しています。まだ紹介していない中には天然記念物もいます。そして今回は季節によって全く違う様相を呈する植物、ヤエヤマヒトツボクロ(別名ヤエヤマクマガイソウ、アオイボクロ、ラン科、絶滅危惧種、石垣市保全種)にしました。自生地が日本の沖縄以南以外に熱帯アジア、オーストラリア、サモア諸島と書いてありますが、まさに太古の八重山に訪れた海洋民族の辿ったルートと同じですね!
見つけたとしても普段目にするのはこちらの姿。艶があって葉脈が目立つ、キレイな扇型?ハート型?の葉です。このように群落を作る事が多く、海岸林または昔の海岸線の辺りに群生しています。なので石垣島でもヒトツボクロがあったら「ここは昔の海岸ラインなんだなぁ」と言う事になります。
そしてこちらが初夏の6~7月だけ咲く、ヤエヤマヒトツボクロの花群落です! 見て分かりますか?あの特徴的な葉っぱが全然写っていないでしょ。花が咲く季節、葉はほぼ無くなってしまいます。だから花を知らないとまるで群落が無くなってしまったのかと勘違いしてしまいます。地中に球根を持ちそこからも増えていきますが、種子からも球根からも栽培下では物凄く難しいお陰であまり盗掘される事もないようです。自然界でも繁殖するには非常に条件が厳しいようで、それはつまり自生地の消滅=「即絶滅の危機!」に繋がります。この場所がどれだけ大切なのかと言う事が分かって頂けたでしょ?