「月夜のカニは身がない」と言う「ことわざ」を知ってますか?オイラは恥ずかしながら最近知りました。 「月夜」は満月の事だそうで実質は「大潮」って事が重要なんですが、大潮の夜にカニは海に降りて来て放卵(放生)をします。 石垣島でも暖かくなって来るとナイトツアー中には良く見かけます。 残念ながら道路で轢かれてるのも・・・。
産卵後のカニは栄養を使い果たしてるので美味しくないとか、満月の夜は目立つのでエサを食べてないからとか言われますが実はもう一つ言われてる事があって、満月(新月)の夜に脱皮するって事です。 これは生き物に詳しいような人しか聞いた事が無いかも知れませんが、どうやらこれが1番有力なんじゃないかなと思います。 そりゃそうでしょ、捕まえたっ!て思ったら中身が無いんだから(笑)。 「そんな脱皮殻に騙されるバカいないよっ」て思うかも知れないけどオイラも最初の頃は騙されました。 だって中身が無いとは思えないような姿の脱皮殻を残していくカニの種類も意外といるんですよこれが。 殻の方だけでなく、脱皮したてのカニは今でこそソフトシェルとかいって食べるのもありますが基本的には脱皮したての物は売り物にならないそうです。
ただ今回のカニは(多分クロベンケイ)は見てのとおり脱皮殻だなってすぐ分かるんですが、数を見てください。 沢山あるでしょ。 そこでさっき書いた、「満月(新月)の夜に脱皮する」です。 調査でほぼ毎日のようにこの場所に来てたんですが、ある日突然大量の脱皮殻が。 しかも一回だけじゃなく、間を置いてもう一回見ました。 実際に研究者の方が調べてみると普通の日に脱皮するカニもいますが、同じ種類でも満月や新月に脱皮する数が多いという事が分かりました。
自然の動きとともに生活してた昔の人はちゃんと分かっていたんですね。 だからこそこの「コトワザ」ができたんでしょう。 ちなみに普段の生活で使う時の「月夜のカニは身がない」の意味は、見た目だけで中身のない人に対して使うそうです。 「アイツは月夜のカニだから」、とか。 オイラも言われないように気をつけないと。