11月9日
朝方少しは継続して寝れたのか、目が覚めて窓の方を見たら薄っすらと明るくなっていました。疲れていたのでもう暫く目を瞑っていると回りでゴソゴソ動く音や、歩いて出て行く音が聞こええて来ます。時計を見ると7時くらい。書き忘れていましたが、受付を済ませると決まり事みたいな紙を貰い、そこには「災害が継続していなければ朝7時には出て行ってね」的な事が書いてありました。実際7時になったから出て行けとは言われませんが、もしかしたらそのせいで帰って行ったのかな?オイラも起きてトイレに行ってから、お腹がすいたのでお菓子と飲み物を持って食堂に行って見ると、そこにもまばらに人がいるだけでした。
相変わらず映りの悪いTVとスマホで台風情報を見比べながらお菓子をボリボリ食べていると、いつの間にか数える程しか人はいません(例の臭いおじさんはまだいます(>_<)。オイラが帰る時も残っていました)。ニュースではようやく八重山が暴風域から抜けると言っています。外を見てもあまり風も雨も無く、受付の方に「お世話になりました」と言って8時くらいに避難所を出る事にしました。
受付の人たちは交代で休んでるとは思うけど「徹夜でお疲れさま、ありがとうございました」
帰る前に「沖縄電力のサイトで停電地域を確認」すると、案の定オイラの住む名蔵地域は停電。何時ものようにスーパーでデッカイ塊の氷を買って「昔の冷蔵庫作戦」をやろうかと思ったら、開店時間になっても開きません。何時もそうなの忘れてた!
仕方がないので「また午後に来よう」と思いながら帰って行くと、市街地は雨も風もだいぶおさまっていたのにバンナを越えた途端に暴風雨が! 小さい山を越えただけでこんなに違うのか! 結局家についても余りにも雨風が強く、しばらく車から出られません。一度家の中の様子を見たら名蔵ではまだこんな天気だし、停電だし、避難所としては終了してるかもしれないけど福祉センターとして行っても良いだろうと思い、この時点では戻ろうと考えていました。
車で雨が小降りになるのを待っている間、ギリギリまで電気メーターに近付き回ってるか確認しようと思うんですが思うように見えません。かなり待ちましたがトイレに行きたくなり思い切って車を出ました(笑)。トイレのスイッチを入れると「点いた!」。停電が復旧していたのか、オイラの家が平気だったのかは分かりませんが思わず「やった!!!」と叫びます。家の真ん中に行って家全体を見渡し「良く頑張ったな、ありがとう!」と心の中で呟きました。
心配してた冷蔵庫から冷たいビールを、と言いたい所ですがまだ朝なので「麦茶をゴクゴゴク!」と飲みます。「冷えてる、美味い!」 避難所と違い鮮明な映りの我が家のTVでニュースを見ると、台風9号は暴風域から1時間くらい過ぎた距離にいるとの事。雨は降ってるし寝不足と安堵感で午前中はボーとTVを見てると、動き出した報道が各地の被害情報を伝えています。石垣より宮古の方が強かったようですが、それでも最大風速は40m台。予報の半分強程度。
お昼には丸一日ぶりにまともな物を食べ何時ものTVを見ていると「平和だねぇ」と感謝。「午後から片付けに入るぞ」て思っていたら知り合いのお客様から電話が。「危なくない場所で、危険を感じたら即中止」と言う約束で「植物の撮影ツアー」に行く事になりました。観光客の方達も折角来たのに丸一日以上ホテルに缶詰めで可哀そうですからね。台風前日にご案内したお客様は帰りの飛行機が飛ばない事が決まった時点でツアー中に何とかホテルを抑えましたが、台風翌日のこの日心配になって電話してみると「今日も飛行機は飛ばず帰れないのにホテルから出て行けと言われ、今日は違うホテルに泊まる」と言っていました。「何か困った事があったら連絡してください、僕に出来る事だったら力になります」と言って電話を切りました。
と言う訳で、これが台風9号石垣島最接近当日~翌日までのオイラの体験記でした。後日、たまたま集まりがあって数人に話したんですが、「あれだけ日本中で災害が起きて石垣市でも備えてるんだと思っていたけど、何にも無い(あっても貸してくれない)んだねぇ。酷いねぇ。」と皆さん感想を言ってました。「石垣市には一応「防災マニュアル・防災マップ」などあるんですが、実質的な部分は凄く遅れていて、対応の仕方とかもあまりちゃんと決まっていない」とか。夜中に市から「え?」と思うようなメールも来たそうです。避難所も「遠くの人は暴風の中どうするんだ?!」と感じてた人もいました。もちろんある程度は備えているんだとは思いますが、毛布やマットレス(段ボールで良い)など、もし有っても貸してくれなんじゃ意味無いですよね。
台風で一晩泊まる程度じゃ貸してくれないのかな?
今回の事で自分が体験しなければ分からなかった「自分が住んでる地域の避難所の実状」が分かって凄く良かったです。次回からは用意する物も分かったし、人にも知らせる事が出来ました。他の地域の方も、必要ないのに体験避難所泊は良くないけど、地元の役所?の担当にこういう時どういう対応をおしてくれるんですか?自分で用意しなければいけない物は?と聞いておいた方が絶対良いですね。オイラは行く前に一応電話したから少しはマシだったけど、知らないで体一つで行ってたら本当に悲惨な事になっていたでしょう。
まずは自分家から一番近い、避難所の場所を調べておきましょう!
地震の時や津波など災害直前と災害時(一時避難)、災害がおさまった災害後(二次避難)、災害の種類によっても違ったりします。一時避難は家族や学校、会社等で話しあった独自の場所もありです。
そうそう、避難所での決りの紙に「ガスコンロ使用禁止」などと一緒に「飲酒禁止」と書いてあり、残念ながら持参したお酒は飲まずに持ち帰って来ました。1本くらいこっそり飲もうと思ったけど、受付で知り合いが頑張ていては・・・。